家を建てる時の間取りの決め方は?注文住宅でやりがちな失敗例と注意すべき2つのポイントを紹介

家を建てる時には、施工会社の担当者と何度も打ち合わせを重ね、慎重に間取りを決めていきます。しかし、いろいろな事情を考慮して決めた間取りであっても、いざ家を建てて暮らし始めると「失敗した」「暮らしにくい」と感じることが往々にしてあるのです。
そこで今回は、家を建てる際の間取りの決め方について、失敗や後悔を防ぐためのポイントやよくある失敗例、いつ注文住宅の間取りを決めるのか等の情報をまとめて紹介していきます。
一生に一度の家づくりで失敗したり、間取りの決め方で後悔することのないように、ぜひ参考にご覧ください。

家を建てるにあたって間取りを決めるのはいつ?

一般的に新しく家を建てる際は、以下のような流れで家の売買契約や設計を進めていきます。

  1. 購入する土地、ハウスメーカー・工務店を決定するための資金計画や情報収集をする
  2. 家の条件、予算が決まったら、施工会社の候補を数社まで絞り、相見積もりを取る
  3. 土地の購入と施工会社との契約を終え、住宅プランの決定や間取りの設計に入る
  4. 設計が確定し次第着工、工事がすべて完了したら竣工検査をして、引き渡しへ

このうち、マイホームの間取りについて本格的に検討するタイミングとなるのは3の段階です。
ただし、ご自身とご家族が住みたい家や理想的な間取りのイメージについては、1の情報収集の段階から家族全員で話し合い、大まかに共有しておく必要があります。
家を建てるための事前準備として、家の間取りに求めることや譲れない条件をはっきりさせておくと、間取りを確定させる際の軸となりますので、初期からしっかり考えておきましょう。
関連記事:「家を建てる前に必要な準備とは?家づくりの段取りや流れと一緒に解説

家を建てる際の間取り失敗例①見栄えと理想にこだわり過ぎた

家を建てる際の間取り失敗例①見栄えと理想にこだわり過ぎた
ここからは、東北エリアで総合住宅展示場を営む私たちが実際に見聞きしたことをもとに、家の間取りを決める上で起こりがちな4つの失敗例について、それぞれ紹介していきます。
まず挙げられるのが、おしゃれな見た目や理想にこだわるあまり、実用性に欠ける間取りにしてしまったという失敗例です。一般的におしゃれで人気があり、流行に沿った間取りが、必ずしも実用性が高く、ご自身・ご家族の生活習慣にマッチしたものであるとは限りません。
例えば、おしゃれな間取りとして知られ、憧れる方も多い開放的な吹き抜けや天窓、スキップフロアを採用した間取りには、以下のようなデメリットもあります。

おしゃれな間取りのデメリットの例

吹き抜け
  • 冷暖房効率が悪く、夏は暑く冬は寒い
  • 上記の理由から、光熱費が高額になる
  • 高い天井から吊り下げられたダウンライトの光が届かず、夜の室内は暗くなりがち
  • 生活音が建物全体に響きやすい
天窓
  • 屋根部分に設置するため、掃除が大変
  • たっぷりと日光が降り注ぐため、夏は想像以上に暑くなることがある
  • 北側に設置するとカビが生えたり、冬場は冷気が入って寒くなることも
スキップフロア
  • 部屋全体の空間が広くなるため、冷暖房の効率が悪くなる
  • 高齢者がいる家庭では、危険な場所になることも

「せっかく家を建てるなら、憧れだったおしゃれな間取りにしたい」と考える方は多いですが、家は鑑賞するためのものではなく、家族みんなの生活空間として作られるべきものです。
見栄えや理想を最優先にして家の間取りを設計すると、実際に暮らし始めてから後悔することにもなり兼ねません。おしゃれな間取りを取り入れたい時は、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解した上で慎重に導入を検討しましょう。
関連記事:「新築の家づくりで後悔したことをランキング形式で解説!住宅のプロが教えるTOP5とは?

家を建てる際の間取り失敗例②生活習慣に合わなかった

次に紹介するのは、モデルハウスでの見学時や図面を見た際には良いと思った間取りが、実際に暮らしてみるとご自身やご家族の生活習慣に合わなかったという失敗例です。具体的には、以下のようなケースが挙げられるでしょう。

良いと思った間取りが生活習慣に合わなかった例

  • 便利だと思って寝室の隣にお風呂を作ったが、深夜や早朝に入浴する家族がいるため、使用音が気になる
  • リビング近くにトイレをつけたが、食事中に使うと出入りや使用音が気になる
  • 部屋を広くするためにキッチンを小さくしたが、家電を置くと作業スペースが取れない
  • 家族で料理をする習慣があったが、キッチンの通路が狭く、1人でしか使えなくなった
  • パントリーを作ったがキッチンとの回遊動線が悪く、ほとんど活用できていない
  • 対面式のオープンキッチンにしたが、来客時等に散らかった手元が見えて恥ずかしい
  • 家を建てた後に家族が増えたため、玄関にベビーカーやおもちゃを置く場所がない
  • ドアに採光用の窓がなく、玄関照明のスイッチに手が届きにくいため玄関が暗い  等

家を建てる時は、モデルハウスと図面を参考に家族の生活習慣や家事動線、回遊動線をイメージして間取りを決めていくことになります。ただ、モデルハウスは一般的な住宅よりも坪数が多い分、広く、大きく作られていることが多いです。そのため、モデルハウスの図面等からリアルな使い勝手や家事動線、回遊動線等を詳細に想像するのは、難しいかもしれません。
打ち合わせ時に良いと思った間取りも、少し時間を空けて見てみると、ご自身やご家族のライフスタイルに合っていないと気付く場合があります。間取りを決める時は即決を避け、間取り図をもらってから4〜5日かけて内容を見直し、ご自身やご家族の生活習慣に照らし合わせてみることをおすすめします。
関連記事:「家づくりのプロが選ぶ、失敗しないためのこだわりランキングTOP5

家を建てる際の間取り失敗例③収納と電源が足りなかった

家を建てる際の間取り失敗例③収納と電源が足りなかった
居室スペースを少しでも広く取るため、また建築費用を削減しようとするあまり、収納スペースの数や広さ、位置が適切でないことも家の間取りを決める上でよくある失敗例の一つです。具体例としては、以下のようなケースが挙げられます。

間取りの決定時に収納の確保に失敗した例

  • 家を建てた後に子供が増えたため、収納の全体的な面積も数も足りなくなってしまった
  • 各個室に収納スペースを作ったものの、リビングにはないため、家族全員のものがリビングに溢れ返っている
  • 上部収納付きのウォークインクローゼットを作ったが、使いにくく活用できていない
  • 収納スペースの形状や高さに問題があり、しまっておきたい大型家電等を収納できない
  • 家族共用のウォークインクローゼットが寝室横にあるが、生活リズムが異なる家族の生活音が気になって眠れない  等

収納スペースを作る時は、家族の人数と居室数に合わせて数を、使用する頻度・エリアに合わせて場所を決めていくのがおすすめです。なお、使用頻度が低いものは屋根裏や床下の収納スペースに収納する前提とし、リビング付近に家族みんなで使うための広めの収納スペースを確保しておくと使い勝手が良くなることが多いです。一つの方法として、覚えておきましょう。
さらに間取りを決める際に配置を決めるコンセントも、収納と同様に暮らし始めてから不足や位置の悪さを実感することが多い設備の一つです。

間取りの決定時に電源の配置に失敗した例

  • キッチンでさまざまな調理家電を使いたいのに、キッチン周りのコンセントが少ない
  • 廊下や階段の踊り場等も掃除機をかけたいが、コンセントが居室にしかなく使いにくい
  • テレビを置く場所、スマホの充電器を置く枕元等の欲しいところにコンセントが設置できていなかった  等

テレビやパソコン、ゲーム機、キッチン家電等を置きたい場所や、掃除機をかけたい場所に電源がないと非常に不便です。家の間取りを決める際は、図面を見ながら家事動線と生活動線をしっかりイメージするとともに、家具・家電の仮の配置を図面上に記入する等して、コンセントを設ける場所を決めていきましょう。

家を建てる際の間取り失敗例④全然イメージと違った

家を建てる際の間取り失敗例④全然イメージと違った
家を建てる際の間取りの失敗例には、ここまでに見てきたような「お客様ご本人の判断ミス」以外に、「施工会社の担当者とのミスコミュニケーション」によって起こるものもあります。
具体的には、ハウスメーカーや工務店の営業担当者、または施工担当者との意思疎通がうまくいかなかったために、イメージや要望と異なる間取りにされたケースが挙げられるでしょう。
一般的に家の設計・建築を依頼する施工会社は、お客様にとって各社の窓口であり、家づくりパートナーとなる担当者との相性も確認した上で決定します。そのため、このようなミスコミュニケーションによる間取りの失敗が起こる可能性は低いですが、ゼロではありません。
施工会社の担当者と打ち合わせをする時は、モデルハウスで実物を見たり、見本となる画像等を見ながらイメージを共有して、こちらの要望を確実に伝えられるように心がけましょう。
関連記事:「注文住宅でよくあるハウスメーカーとのトラブル事例7選!未然に防ぐポイントも

家を建てる際の「間取りの失敗」を防ぐ2つのポイント

最後に、家を建てる際の間取りの失敗を少しでも減らすために、ぜひ知っておいてほしい2つのポイントを紹介していきます。しっかりとチェックし、ぜひあなたの家づくりに役立ててください。

より多くのモデルハウスを見学してアイデアを増やす

家を建てる際、ご自身とご家族に合った間取りにするためのポイントの一つ目は、できるだけ多くのモデルハウスを見学して一戸建てや間取りに関する情報・アイデアを集めることです。
たくさんのモデルハウスを見て回り、間取りの不明点やメリット・デメリットについて各社の営業担当者に質問していけば、お客様ご自身の住まいに関する知識が深まっていきます。家づくりや間取りに関する知識・アイデアの母数を増やすことができれば、間取りを設計する上で見落としがちなことや失敗を防げる可能性が、グッと高まることでしょう。
関連記事:「住宅展示場の回り方は?見学の前後にすべきことやポイントを紹介!

生活に合わせて変えられる余地を残した間取りにする

そして二つ目のポイントは、家を建てる際の間取りに少し「可変性」を残しておくことです。
可変性とは、変えられること・変えられる度合いという意味を持つ言葉です。つまり、加齢や子供の成長、また家族が増える等の「ライフスタイルの変化により、家の間取りを変えられる余地を残しておくこと」が、間取りの設計を失敗させないための有効な対策となります。
例えば、広い部屋には可動式の間仕切りを設置して区切れるようにしておく、2階に上がらなくても生活できるような間取りにする等の対策をすれば、可変性を残すことができるでしょう。
関連記事:「注文住宅を建てる方必見!やってよかった家づくりアイデア集20選

個性豊かなモデルハウスで理想の家づくりをサポート


私たち株式会社アルスは、宮城県にて東北最大級の総合住宅展示場「利府ハウジングギャラリー」と県北唯一の総合住宅展示場「大崎エルハウジング」を運営しています。
敷地内には、各ハウスメーカー様が自信を持ってお届けする個性豊かなモデルハウスと、お客様の展示場見学や家づくりを幅広くサポートするセンターハウスを完備。
宮城県で注文住宅の購入をお考えの方、また将来的にマイホームを建てたいけど、何から始めたらいいのかわからないという方も、まずはお気軽に私たちの展示場へお越しください。
家族にとって理想的な家づくりを実現するために、大きな一歩を踏み出すお客様を全力でサポートします。

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