注文住宅購入の流れと期間の目安は?手続きをスムーズに進めるコツや注意点も解説

土地探しや施工会社選び、家の間取りや内装、外観の決定に至るまでお客様が主導して決めていく注文住宅は、検討を始めてから入居するまでに1年〜1年半ほどかかると言われています。
そこで今回は、注文住宅の設計・建築を少しでもスムーズに進められるように、購入時の流れと必要な期間の目安について、費用の内訳や一般的なお金の流れと併せて解説していきます。
コツや注意点をしっかりと押さえた上で、できるだけ滞りなく注文住宅の購入・建築手続きを進めていきたいという方は、ぜひ参考にご覧ください。

注文住宅購入にかかる費用の内訳とお金の流れ

alt:注文住宅購入にかかる費用の内訳とお金の流れ
注文住宅の購入と建築に必要な費用の内訳は、大きく「土地購入費」「本体工事費」「別途工事費(付帯工事費)」と「諸費用」の4つです。それぞれの具体例を以下に見ていきましょう。

土地購入費
  • 土地の購入代金
  • 土地の売買契約に必要な印紙税、登録免許税、仲介手数料
  • 地盤調査費、地盤改良工事費
本体工事費
  • 設計費
  • 設計及び建築工事請負契約書の印紙税
  • 本体建築工事費(家の材料費、工事費等)
  • 地鎮祭や上棟式など祭祀を行うための費用
  • 古家が建っている場合は、その解体費も
別途工事費(付帯工事費)
  • 庭やガレージ、駐車場、水道管等の外構部の工事費、材料費
  • 内装や設備、作り付けの家具・家電の設置工事費
諸費用
  • 各種税金(不動産取得税、固定資産税清算金および都市計画税清算金、消費税等)
  • 司法書士報酬
  • 保証料、住宅ローン借り入れのための融資手数料
  • 金融機関と住宅ローン契約を結ぶための印紙税
  • 火災保険料や地震保険料など各種保険料
  • 新居用の家具や家電の購入費、引っ越し費用

※既に土地を所有している場合は、土地の購入代金や仲介手数料、土地の名義変更のための印紙税、登録免許税等の一部費用は発生しません。
関連記事:「家を建てる時にかかる税金はいくら?金額の目安や新築住宅に使える軽減・控除制度をまとめて解説
なお上記に挙げたような注文住宅の購入・建築費用は、主に契約時、着工時、着工中、竣工時の各段階で分割して支払うのが一般的です。
また注文住宅のような新築一戸建ての購入費用は、自己資金と住宅ローンの両方を使って支払うことが多いですが、住宅ローンは竣工時(家が完成して引き渡される時)にならないと正式に融資されません。それまでの契約時と着工時、着工中に支払うべき費用については、別途自己資金から捻出する必要がありますので、覚えておきましょう。

住宅ローンの他につなぎ融資、分割融資も利用可能

注文住宅の購入時に利用できるローンプランには「つなぎ融資」や「分割融資」もあります。
つなぎ融資とは、住宅ローンの正式融資前に借入が可能なローンの一種です。住宅ローンとは異なる融資契約であり、土地の購入代金や一部工事費の支払い等に利用できます。金融機関によっては抵当権の設定が不要の場合もある他、竣工するまでは利息のみ支払えば借りられるというメリットがありますが、住宅ローンに比べ、高金利になるというデメリットもあります。
対して分割融資とは、住宅ローンを複数回に分けて融資してもらえる仕組みのことです。住宅ローンであるため低金利であるところが最大のメリットですが、土地と建物それぞれに抵当権の設定を行うため、手数料が高くなりやすいというデメリットもあります。
「注文住宅を購入したいけど、貯金から土地購入費や工事費の一部を支払うのが難しい」などとお悩みの場合は、これらの融資と住宅ローンを組み合わせて使うことも検討しましょう。
関連記事:「【事例あり】家を建てるのに貯金はいくら必要?初期費用を抑えるコツも!

注文住宅の購入・建築の大まかな流れと期間の目安

注文住宅の購入・建築の大まかな流れと期間の目安
ここからは、注文住宅を購入・建築する際の流れと必要な期間について、各段階で支払うべき費用と金額の目安や、住宅ローンの申し込みタイミングにも触れながら紹介していきます。

注文住宅購入の流れ①家づくりのための準備をする

注文住宅の購入を検討し始めた時にまず行うべきことは、家づくりを進めるための準備です。
具体的には、家族間でどのような場所・家で暮らしたいかのアイデアを出し合い、家族にとって理想的な住まいの間取り、デザイン等を具現化していきます。イメージがある程度固まり、家族間で共有できたと感じたら、次は条件を満たす土地やハウスメーカー・工務店等の施工会社に関する情報収集と資金計画を並行して進めていくと良いでしょう。なお、家づくりのための準備にかける期間は、1〜3か月ほどが目安となります。
注文住宅の購入・建築に必要な費用は、購入する土地の条件や立地、面積の他、建てたい家のデザインや間取り等により大きく変わってきます。資金計画を立てる際は、ご自身の世帯年収と貯金額をもとに無理なく捻出できる自己資金額と現実的に返済可能な住宅ローンの額を計算した上で、マイホームの予算を設定するようにしてくださいね。
関連記事:「家を建てる前に必要な準備とは?家づくりの段取りや流れと一緒に解説
なお、「なかなか住みたい家のイメージが湧かない」という場合は、ひとまず総合住宅展示場へ見学に行くことも検討しましょう。
総合住宅展示場には、ハウスメーカー・工務店各社が手掛ける個性豊かなモデルハウスが建ち並んでいます。さまざまなデザインや構造、工法、性能、特徴を持つ家を見て回っているうちに住みたい家のデザインや、家族のライフスタイルに合った間取りや設備、譲れない条件等が見えてくるはずです。
また、モデルハウスを見学することでご自身やご家族の将来的なビジョンが明確になることもあります。これからの家族計画や住環境など、少しでも家について考えることがあれば、ぜひお気軽に総合住宅展示場に足を運んでみてください。
関連記事:「住宅展示場の回り方は?見学の前後にすべきことやポイントを紹介!

注文住宅購入の流れ②土地と施工会社を絞り込む

注文住宅購入のための準備が終わったら、次は、1〜3か月ほどかけて家を建てる土地と施工会社の候補を絞り込んでいきます。
具体的には、総合住宅展示場へ行って各社の営業担当から直接話を聞いたり、インターネット上で情報収集をする他、資料請求をして土地や施工会社を比較・検討すると良いでしょう。
また土地に関しては、時間帯や曜日、天候等の条件を変えて複数回見学して、その土地の周辺環境や交通量、日当たり等を把握しておくと安心です。
なお土地と施工会社、どちらを先に決定しても問題はありませんが、以下のような場合は住みたいエリア・地域に強い施工会社を先に見つけておき、一緒に土地探しをしてもらうことをおすすめします。

  • 家を建てる場所は決まっていないが、設計・建築を依頼したい施工会社がある
  • 自分たちだけで、また不動産会社への相談だけで土地探しをすることに不安がある

関連記事:「土地あり・なしで家を建てる際の費用はどのくらい変わる?頭金と自己資金の目安額

注文住宅購入の流れ③相見積もり、施工会社の決定

購入する土地の目星がついて、施工会社の候補を数社にまで絞り込めたら、「相見積もり」を取りましょう。
相見積もりとは、複数のハウスメーカーや工務店に対して購入予定の土地の情報、注文住宅にかけられる予算、要望、条件等を伝えて、ラフプランと概算見積もりを作成してもらうこと。
各社にまったく同じ条件でおおよその設計・見積もりを出してもらうことで、それぞれの設計方針や費用感、またその内訳、こちらの疑問・質問への営業マンの対応が明らかになります。
1〜3か月ほどかけて各社の見積もり内容を比較し、ご自身とご家族の理想に近いプランを提案してくれたところ、また相性が良いと感じた担当者のいる施工会社を選ぶようにしましょう。
なお住宅ローンの仮審査(事前審査)は、ある程度プランが明確になるこの段階で行います。
自己資金に余裕がなく、つなぎ融資や分割融資を利用したい場合は、住宅ローンの申し込みをする金融機関に、他のローンプランに対応しているかどうかも確認しておくと良いでしょう。
関連記事:「住宅展示場が教える!ハウスメーカーを選ぶ時に決め手とするべきこと3選

注文住宅購入の流れ④売買契約、工事請負契約を結ぶ

各社の見積もり内容の比較検討が終わったら、最終的に選んだ一社の施工会社と設計・工事の請負契約(本契約)を結びます。設計・工事請負契約を結ぶと、ラフプランと概算見積もりで提示された基本的なプラン、契約内容に正式に合意したこととなり、以降の大幅な仕様変更には追加費用が発生することになるため、注意が必要です。
また設計・工事請負契約と並行して、このタイミングで土地購入の手続きも進めていきます。
そのため、この本契約の段階では、土地購入費の全額と建築費用(本体工事費+別途工事費)の一部(5〜10%)を支払う必要が出てきます。あらかじめ自己資金、またはつなぎ融資や住宅ローンの分割融資の手配をして、必要な資金を用意しておきましょう。

注文住宅購入の流れ⑤注文住宅の詳細を設計

本契約の後は、いよいよ注文住宅の詳細な間取りや内装、外観、設備、仕様等について設計・デザインするための打ち合わせに入ります。また並行して、購入した土地の地盤調査や地盤改良工事、建築確認申請等、注文住宅を建てるための下準備も進めていくことになるでしょう。
関連記事:「注文住宅でこだわりたいポイントは?家づくりで失敗しないためのコツも解説
なお、土地購入と設計・工事請負契約の締結からここまでの一連の流れを終えるまでにかかる期間の目安は3〜4か月ですが、設計に必要な期間は人により大きく異なります。家づくりにこだわる方ほど、打ち合わせの回数や設計に必要な時間が長くなると理解しておきましょう。
また、この段階で建築確認済証や物件データなど、住宅ローンの本審査(正式審査)に必要な書類一式が揃うので、仮審査に通過した金融機関に審査申し込みをするのも忘れないようにしてください。

注文住宅購入の流れ⑥設計図が完成次第、着工

設計図が確定したら、着工です。ここからは、4〜6か月かけて注文住宅を建築していきます。
なお、工事中には騒音や重機の通過によってご迷惑をおかけする可能性が高いため、近隣の方へご挨拶に伺うのが望ましいとされます。ただ近年では、こういった事前の挨拶は施工会社や建築会社に任せたり、一緒に行ってもらうこともできるので、相談してみると良いでしょう。
またもう一点、注文住宅の着工に伴い実施するかどうかを決めるべきこととして、新築工事の際に行う地鎮祭や上棟式等の神事が挙げられます。注文住宅を建てるにあたってこれらの神事を開催するかどうか、また開催する場合のスケジュールについては、着工までに決めておくようにしてくださいね。
この段階で必要になる費用としては、着工前・着工中に支払う中間金が挙げられます。費用額の目安としては、それぞれ建築費用のおよそ30%を支払うため、合計で建築費用の60%ほどの金額が必要になると考えておきましょう。
関連記事:「新築注文住宅の購入に使える補助金は?優遇・減税制度や利用上の注意点も

注文住宅購入の流れ⑦竣工、検査後に引き渡し

無事に竣工したら、まず、建築申請通りに建物が建てられているかを市区町村の担当者が確認する「完了検査」が行われます。その後、施主が立ち会って傷や設備上の不具合等がないかをチェックする「施主検査」が行われ、問題なければ、1週間〜10日ほどで引き渡しとなります。
引き渡し当日には、施主と施工会社の担当者、金融機関の担当者、司法書士等の立ち会いのもと以下のような手続きを行います。すべての手続きを経て、建築確認済証などの書類や住宅の鍵を受け取ったら、注文住宅の引き渡しが完了します。

  • 施主検査の際に不具合等が見つかっていた場合は、修繕箇所について確認
  • 金融機関の担当者に必要書類を提出して住宅ローンの融資を受け、残金を支払う
  • 新築住宅の引き渡しに伴って必要な登記手続きを行い、かかった諸費用を支払う

以上が、注文住宅を購入・建築する際の一連の流れと各段階での手続き上のポイントです。
なお注文住宅の購入費用のうち、土地購入費と本体工事費、別途工事費は、引き渡し日までに全額支払い済みとなります。
ただし、引っ越し費用や新生活のための家具・家電の購入費用、各種保険料、そして注文住宅の取得に伴って発生する一部税金は、入居時と入居後にそれぞれ支払う必要がありますので、覚えておきましょう。
関連記事:「注文住宅でよくあるハウスメーカーとのトラブル事例7選!未然に防ぐポイントも

注文住宅購入をスムーズに進めるためのコツと注意点

最後に、注文住宅の購入をスムーズに進めるためのコツと注意点を6つ紹介します。注文住宅を建てる際の流れやスケジュールと一緒に確認して、ご自身の家づくりにお役立てください。

  • 注文住宅の購入・建築スケジュールは、入居日から逆算し余裕を持って決める
  • 土地を探す際は、立地や面積だけでなく、必ず法律上の「建築制限」も確認する
  • わからないことは本契約の前に解消しておき、追加費用による予算オーバーを防ぐ
  • 家を建てる上で譲れないポイントは厳選し、さらに優先順位を明確にしておく
  • 施工会社を決める時は、必ず営業マンの対応やご自身・ご家族との相性も見る
  • 詳細設計の際は住まいとしての機能性を重視し、デザインにこだわり過ぎない

関連記事:「注文住宅を建てる際の5つの注意点とは?知っておくべき基礎知識も解説

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