家づくりは、多くの方にとって一生に一度の大きな買い物。だからこそ、家づくりの進め方を事前に知っておくことで無駄な時間や費用を抑えながら、理想の住まいを形にすることができます。
この記事では、家づくりの基本的な進め方についてわかりやすく解説。情報収集から住宅の引き渡しまでの大まかな手順を説明しながら、満足度の高い家を建てるための成功ポイントも詳しく取り上げていきます。
これから新築住宅を建てる方はもちろん、すでに検討を進めている方や家づくりに取り掛かっている方もぜひ参考としてご覧ください。
家づくりの進め方を知ることが家づくりの成功に繋がる

家づくりを成功させるためには、前もって「どのような手順で進むのか」を理解しておくことが大切です。全体の流れを把握しておくことで先を見通しながら効率的に進められるため、無駄な時間や費用の発生そのものを防ぐことができます。
特に家づくりは初めての方がほとんど。家づくりには資金計画・土地探し・設計・施工など多くの工程が関わることから、流れを知らないまま進めてしまうと行き当たりばったりの判断になりかねません。
あらかじめ全体像を把握しておけば「今やるべきこと」や「次に備えるべきこと」が明確になり、たとえ計画に遅れが出た場合でも軌道修正しやすくなります。余裕を持って家づくりに臨むためにも、家づくりの基本的な進め方を押さえておきましょう。
次項からは、一般的な家づくりの進め方を順を追ってわかりやすくご紹介します。
家づくりの進め方1:家づくりのイメージを膨らませる
家づくりの第一歩は、「どんな家に住みたいか」という理想のイメージを具体化することから始まります。最初の段階で方向性を明確にしておくことで、後の土地探しや間取り設計、資金計画などがスムーズに進めやすくなります。
この段階では、以下の順序で家づくりを進めていきましょう。
【家づくりのイメージを膨らませる】
- 家づくりの希望や理想を家族で話し合う
- 今の住まいの不満を洗い出す
- 土地と家の購入・建築にかけられる予算を決める
- 建築希望時期はいつ頃か考える
まずは家族全員で話し合い、「どんな暮らしをしたいのか」「どんな空間が快適なのか」を共有することが大切です。今の住まいで感じている不便さや不満点を挙げていくと、理想の家の方向性が見えてきます。
また、住まいの予算や建築時期を早めに検討しておくことで、無理のない資金計画や建築スケジュールを立てやすくなります。この時点ではまだ漠然としたイメージで構いませんので、家づくりのイメージをどんどん膨らませてみましょう。
関連記事:「注文住宅にかかる初期費用とは?具体的にいくらが相場?内訳や準備する上での注意点も」
家づくりの進め方2:情報収集を行う
理想の家のイメージが何となく決まったら、次に行うのが情報収集です。家づくりにおいて情報は必要不可欠。情報をどれだけ集められるかで、選択の幅や満足度が大きく変わります。
早い段階で複数の選択肢を比較検討しておくことが、後悔しない家づくりのポイントです。以下の手順を参考に、幅広く情報収集を行いましょう。
【情報収集を行う】
- 土地の予算を鑑みたうえで、住みたいエリアを探す
- 住みたいエリアに対応したハウスメーカーや工務店を探す
- 建てたい家の条件や予算限度額に合った会社のモデルハウスへ見学に行く
- 住みたいエリアの住宅展示場に足を運んで様々なモデルハウスを見てみる
まずは、家づくりの予算に合わせて住みたいエリアを絞り込みましょう。通勤・通学の利便性や周辺環境なども考慮しながら候補地を選びます。
そのうえで希望エリアに対応しているハウスメーカーや工務店をリストアップし、実際にモデルハウスや住宅展示場へ足を運んでみましょう。実際に間取りや設備、デザインを体感することで、カタログやネットの情報ではわからないリアルな住み心地を確かめることができます。
なお、より効率的にハウスメーカーや工務店を調べるなら、総合住宅展示場がおすすめです。複数の施工会社が自社の強みを活かしたモデルハウスを展示しており、一度に比較することができるため非常に効率的です。
家づくりの進め方3:施工会社を決める
続いては、家づくりを任せる施工会社を選びます。ハウスメーカー・工務店選びは家づくりの満足度を左右する非常に重要なポイントです。
信頼できる会社を見極めるためには費用面だけではなく、提案力や対応の丁寧さなども比較する必要があります。以下の手順で、ご自身やご家族に合う施工会社を絞り込んでいきましょう。
【施工会社を決める】
- 同じ条件を伝え、3社程度の施工会社から相見積もりを取る
- 相見積もりの内容を比較検討し、家づくりをお任せする施工会社と土地を決める
- 施工会社との仮契約を交わす
- ※もしくは購入する土地を決めてから、対応してくれる施工会社を探す
まずは、建てたい家の条件(延床面積、構造、仕様など)を揃えたうえで、3社程度のハウスメーカー・工務店から相見積もりを取ります。費用面の比較に限らず、営業担当者の対応や提案の具体性、アフターサポート体制なども重要な判断材料です。
比較検討が終わったら信頼できる施工会社を選定し、仮契約を行います。契約前に交わす仮契約では、見積もり内容や契約条件を充分に確認し、納得したうえで契約を交わすことが欠かせません。
このとき、家を建てる土地も合わせて決定しますが、購入する土地を決めてから施工会社を探す方法もあります。どちらにしても、予算や条件をしっかり考慮して施工会社を決めるようにしましょう。
関連記事:「ハウスメーカーに注文住宅の相見積もりを依頼する時のマナーは?伝え方や注意点も解説」
家づくりの進め方4:住宅ローンを検討する
施工会社や土地が決まったら、次に行うのが住宅ローンの検討です。住宅ローンは家を建てた後も長期的に生活へ影響を及ぼすため、無理のない返済計画を立てることで将来的にもゆとりのある暮らしが実現しやすくなります。
住宅ローンはメーカー経由で組むことも可能ですが、ご自身に最適なローン商品を見つけるためには、早めに金融機関に相談しておくことが大切です。以下の手順を参考に、後悔のない住宅ローン選びを行いましょう。
【住宅ローンを検討する】
- 金融機関に相談して住宅ローンの借入額を決める
- 資金計画を立てる
- 住宅ローンの仮審査に申し込む
まずは複数の金融機関に相談し、どの程度の金額を借りられるのかを把握します。その際、金利タイプ(固定・変動)や返済期間、手数料などの条件を比較しておくことが大切です。
このとき、メーカー経由で契約できるローン商品の内容もあわせて確認しておきましょう。金融機関に全く相談せず、メーカー経由で住宅ローンを組む方も少なくありませんが、必ずしも条件が最適とは限りません。後悔しないためにも、複数の選択肢を比較検討しておくことをおすすめします。
借入額の目安が決まったら、頭金・諸費用・月々の返済額などを踏まえて無理のない資金計画を立てましょう。そして計画が整った段階で住宅ローンの仮審査に申し込み、本契約に向けて準備を進めます。
関連記事:「ハウスメーカー経由で住宅ローンは組める?メリットや注意点を解説」
家づくりの進め方5:施工会社と本契約を交わす
住宅ローンの仮審査が通り資金計画が明確になったら、いよいよ施工会社との本契約を交わします。この段階では、家づくりの内容がより具体的になり、間取りやデザイン、仕様などを最終的に決定していきます。
本契約は家づくりの大きな節目となるため、契約内容にしっかり納得したうえで進めることが大切です。以下の手順を参考に、慎重に契約を進めましょう。
【施工会社と本契約を交わす】
- 家の間取りや構造、内装、外観デザインなどの詳細を決める
- 土地の売買契約や工事請負契約を交わす(このとき、住宅ローンの本審査に申し込む)
- 土地の売買と工事請負の契約、工事実施のために必要な諸費用を支払う
本契約前の打ち合わせでは間取りやデザインに加えて、使用する建材・設備・内装・外装まで細かく決定します。そのうえで土地の売買契約と工事請負契約を正式に締結し、住宅ローンの本審査を行います。
審査が承認されたら契約に伴う諸費用を支払い、いよいよ着工の準備へと進みます。不明点を残したまま進めると後々トラブルになる可能性もあるため、疑問があれば必ず契約前に確認し、納得したうえで契約を結ぶようにしましょう。
家づくりの進め方6:引っ越しの準備を始める
家の施工がある程度進んだ段階で、新居での生活を見据えた引っ越し準備を始めましょう。完成・引き渡し後すぐに快適な生活をスタートできるよう、以下の手順を参考にスケジュールを立てて計画的に進めることが大切です。
【引っ越しの準備を始める】
- 家の完成までに引き渡しの日程を決め、入居に伴う各種手続き・準備を進める
- 家具・家電等の購入など引っ越し準備を進める
まずは施工会社と相談しながら引き渡し日を確定させ、そこから逆算して引っ越し準備を進めていきます。住所変更やライフライン(電気・ガス・水道)の開通手続き、インターネット回線の申し込みなどの入居に関する各種手続きもこの時期に行っておくと安心です。
同時に、新居の間取りに合った家具や家電の購入も進めておきましょう。不要な家具や家電は処分に時間がかかることも多いため、粗大ゴミの回収予約なども早めに手配しておくのがおすすめです。
家づくりの進め方7:完成した家を引き渡してもらう
家が完成したら、いよいよ引き渡しの段階です。以下の流れで手続きを進めていきましょう。
【完成した家を引き渡してもらう】
- 引き渡し時に土地購入費用の残額、不動産取得税、登録免許税、ローン保証料、各種保険料などを支払う(引き渡しまでに現金で支払う必要あり)
- 家を引き渡してもらい、新しい家に引っ越しする
施工会社の立ち会いのもとで行う最終確認(施主検査)では、契約内容どおりに仕上がっているかを細かくチェックします。壁や床の傷、建具の不具合などを見つけた場合は、その場で修正を依頼しておきましょう。
最終確認で特に問題がなければ、引き渡しに向けて残代金や各種費用の支払いを完了させます。全ての手続きが済むと鍵や関係書類が正式に手渡され、ようやく念願のマイホームでの生活がスタートします。
家づくりには多くの工程がありますが、ひとつひとつのステップを丁寧に確認しながら進めることで理想の住まいを実現できるでしょう。
関連記事:「【事例あり】家を建てるのに貯金はいくら必要?初期費用を抑えるコツも!」
家づくりを成功させるための5つのポイント

行き当たりばったりで家づくりを進めても、理想の家づくりはなかなか実現しません。
ここからは、家づくりを成功させるための5つのポイントをお伝えします。それぞれのポイントを意識することで、ご自身やご家族が満足できる家づくりに繋げることができるでしょう。
【家づくりを成功させるためのポイント】
- 家づくりの情報収集をできるだけ行う
- 関係者とのコミュニケーションを欠かさない
- 現実的な予算と使い勝手を重視する
- 多くのモデルハウスを見学して希望を具体化する
- 家づくりの条件に優先順位をつけておく
家づくりの成功ポイント1:家づくりの情報収集をできるだけ行う
家づくりを成功させるには、法律や住宅ローンなどに関する情報収集を可能な限り行うことが重要です。家に関する知識が不足していると契約や手続きでトラブルが生じたり、予算オーバーや計画の見直しが必要になったりすることも少なくありません。
特に、住宅ローンはご自身やご家族の生活に長期的な影響を及ぼします。無理な借入をすると毎月の返済負担が重くなり、生活に余裕がなくなる恐れも。
また、建築基準法や地域ごとの建築制限にも注意が必要です。家を建てる際には容積率・建ぺい率・高さ制限・接道義務などのさまざまな要素が関係するため、「土地さえあれば家が建てられる」というわけではありません。
「理想の家が建てられない」「想定より費用がかかる」といった思わぬトラブルを防ぐためにも、法律・資金・設計などの家づくりに関する情報は幅広く集めておきましょう。
家づくりの成功ポイント2:関係者とのコミュニケーションを欠かさない
営業担当者・設計士・施工管理者など、家づくりに関わる全ての人との良好なコミュニケーションも、家づくりの成功には欠かせません。コミュニケーション不足によって「そんなつもりじゃなかった」「伝えたはずなのに」といった食い違いが起こると、後戻りできないトラブルに発展してしまうことも。
そのため、要望や疑問点などは明確かつ丁寧に伝えるようにしましょう。たとえ実現が難しい要望でも、率直に話すことで「どうすれば近い形で叶えられるか」を一緒に考えてもらえます。プロ視点からの提案や代替案を得られるのも、良好なコミュニケーションがあるからこそです。
また、営業担当者との相性も家づくりの満足度を左右します。話しやすく信頼できる営業マンであれば打ち合わせも前向きに進むため、家づくりの成功に大きく近づくことができます。
関連記事:「ハウスメーカーに資料請求した時点で担当が決まるって本当?優秀な営業担当を見極めるコツも解説」
家づくりの成功ポイント3:現実的な予算と使い勝手を重視する
現実的な予算と日常生活での使い勝手を重視することも、家づくりを成功させるポイントのひとつ。理想のデザインや設備にこだわりすぎると、予算オーバーや生活動線の不便さに繋がりかねません。
予算の範囲内で効率的な間取りや使いやすい設備を選ぶことで、無理のない返済と快適な暮らしの両立が可能になります。理想と現実のバランスを意識しながら、予算と使い勝手の両方を考慮した家づくりを目指しましょう。
家づくりの成功ポイント4:多くのモデルハウスを見学して希望を具体化する
家づくりを成功させるには、できるだけ多くのモデルハウスを見学することが大切です。住宅展示場でのモデルハウス見学を通して、各社の良いところや間取り・設備・デザインの違いを体感することで、情報や知識が増え、ご自身やご家族に合った家のイメージをより具体化することができます。
例えばキッチンの高さや収納の広さ、リビングの開放感などは、写真やカタログだけでは判断しづらい部分。複数のモデルハウスを実際に目で見ることで、使い勝手やデザインの好みを具体的に把握でき、「絶対に譲れない部分」と「妥協できる部分」が明確になります。
また、各ハウスメーカー・工務店の工法や標準仕様を知ることも、予算や条件に合った施工会社を選ぶ判断材料になります。始めから1社だけに絞らず、多くのモデルハウスを見学して希望を具体化しながら家づくりの判断材料を増やすようにしましょう。
家づくりの成功ポイント5:家づくりの条件に優先順位をつけておく
家づくりの際には希望条件に優先順位を付けておき、時には柔軟に対応するようにしましょう。
全ての希望を完璧に実現しようとすると、大幅な予算超過や工期の延長などの問題が生じやすくなります。また、土地の形状や建築基準などの制約から、そもそも理想が実現できないことも珍しくありません。
あらかじめ優先順位を決めておくことで譲れない部分と妥協できる部分が整理でき、打ち合わせや判断の際に迷うことが少なくなります。柔軟に対応する姿勢があれば、無理のない計画の中でも満足度の高い家が建てられるでしょう。
家づくりの進め方に悩んだときはプロにご相談ください
事前に家づくりの進め方を学んでも、実際に始めてみると「どの施工会社に依頼すれば良いのか」「間取りや設備をどう選べばいいのか」などと迷う場面は少なくありません。
そんなときは無理に決めようとせず、家づくりのプロに相談してみてください。
さまざまなメーカーを一度に比較できる総合住宅展示場では、複数のモデルハウスを見学しながら、疑問点や不安をその場で相談することができます。経験豊富な営業担当が希望や予算に合わせたプランを提案してくれるため、漠然とした不安も解消しやすくなるでしょう。
また、複数のハウスメーカーや工務店を比較することで、デザインや性能、価格帯など、ご自身に本当に合った会社を見極めることも可能です。ご自身の理想や条件を客観的に整理できる点も、住宅展示場に足を運ぶ大きなメリットだと言えます。
家づくりは一生に一度の大きな決断です。迷ったときこそ知識と経験を持つプロの力を借りて、後悔のない家づくりを進めていきましょう。
個性豊かなモデルハウスで理想の家づくりをサポート

私たち株式会社アルスは、宮城県にて東北最大級の総合住宅展示場「利府ハウジングギャラリー」を運営しています。
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