注文住宅を建てる際、「標準仕様」という言葉をよく耳にするかもしれません。ハウスメーカーや工務店の標準仕様とは、基本プランとして提供している設備や建材、外装・内装のデザインや仕様のことを指します。
しかし、標準仕様だけでは思い描く理想の家にならないことも多く、オプションの追加を検討する方は少なくありません。だからこそ、どこまでが標準でどこからがオプションになるのかを把握しておかないと、予算を大幅に超えてしまい後悔することも。
この記事では、ハウスメーカーの標準仕様とは何かをわかりやすく解説。さらに、標準仕様からオプション仕様へ変更する際の注意点についても詳しくご紹介します。
ハウスメーカーや工務店の標準仕様とは何か
ハウスメーカーや工務店の標準仕様とは、ハウスメーカーの基本的な材料や設備・デザインを使用したスタンダードなプランを指します。
注文住宅を建てる際は、この標準仕様を正しく理解しておく必要があります。何故なら理想の家づくりを実現させるために、ハウスメーカーや工務店の標準仕様を基準として、オプション仕様を追加するかどうかの判断をしていくことになるからです。
ただし、各ハウスメーカーや工務店によって標準仕様の内容は異なるため、同じ「標準仕様」であっても、設備などのグレードや品質にはメーカーごとに大きな差があります。ある会社では高級な無垢材の床が標準でも、別の会社では安価な合板フローリングが標準ということも珍しくありません。
また、「標準仕様を選べば安く建てられる」とは限らないということも、標準仕様を理解するうえで重要なポイントのひとつ。標準仕様はハウスメーカーや工務店の特色が反映された価格のため、ある会社の標準仕様よりも別の会社のオプション仕様のほうが安いことはよくあります。
つまり、契約前に「どこまでが標準で、どこからがオプションなのか」を確認しておくことが欠かせません。ハウスメーカーや工務店の標準仕様の差異をしっかり把握しておくことで、後になって「思っていたより費用がかかった」という事態を避けることができるでしょう。
ハウスメーカーや工務店の標準仕様に含まれる項目とは
注文住宅を検討する際は、前もってハウスメーカーや工務店の標準仕様に含まれる項目を確認しておくことが重要です。なお、ハウスメーカーや工務店の標準仕様に含まれる一般的な項目は以下の通りです。
- 構造、基礎工事
- 性能(断熱素材、耐震性能、換気性能)
- 建材
- 間取り
- 外装デザイン(屋根、外壁)
- 内装デザイン(壁紙、床材、照明)
- 建具(窓(ガラス・サッシ)、ドア)
- 住宅設備(キッチン、ユニットバス、トイレ、洗面化粧台、給湯などの水回り設備)
- その他(電気配線、10年保証)
標準仕様の項目には、主に建物の構造や内外装、住宅設備などが含まれます。例えば外壁や屋根などの外装、壁紙・床材・照明といった内装、キッチン・バス・トイレなどの水回り設備、さらには断熱材や窓の種類が一般的な項目に挙げられます。
また、コンセントの数・配置などの電気配線や建物の10年保証も標準仕様のひとつ。一方で、外構や地盤補強工事等は標準仕様には含まれないことが多いため、施工を検討している場合は予算オーバーに注意しましょう。
ただし、標準仕様の内容はハウスメーカーや工務店によって異なります。標準仕様の中身をしっかり理解しておくことで、「必要なものが最初から含まれているか」「オプションに変更が必要か」といった判断がしやすくなり、納得できる理想の家づくりが実現するでしょう。
標準仕様からオプション仕様に変更する際の3つの注意点
注文住宅の標準仕様からオプション仕様に変更するときは、3つの注意点を押さえておくことをおすすめします。というのも、理由もなくグレードアップを重ねてしまうと、大きな後悔に繋がる可能性があるからです。
注意点1:予算オーバーにならないように注意する
最も重要なのが、オプション仕様にすると追加料金が発生するということ。標準仕様の範囲内であれば建物本体価格に含まれていますが、オプションを選べば当然その分の差額が生まれます。
例えば、キッチンをグレードアップすれば数十万円単位で費用が増えてしまうことも。標準仕様との差額をきちんと把握し、総予算の中で調整できるかを確認しながら判断することが大切です。
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注意点2:本当にオプション仕様に変更する必要があるか判断する
見た目の良さや最新機能に惹かれてオプション仕様を選ぶ方もいらっしゃるかと思いますが、それが本当に必要かどうかの見極めも肝心です。オプション仕様には「デザイン性が高くなる」「性能が向上する」などのメリットがある一方で、「追加費用がかかる」「過剰な機能になる」といったデメリットも。
よくある失敗例としては、オプションとして性能の高い設備に変更したものの、実際にはその機能をほとんど使っていないというケースが挙げられます。宝の持ち腐れにならないように、普段の使い勝手も含めて冷静に判断しましょう。
注意点3:標準仕様もオプション仕様も、実物を見てから判断する
カタログや説明だけでは、素材の質感や設備の操作感まではわかりません。理想を叶えるためには少なからずオプション料金が発生するからこそ、必ず住宅展示場などで実物を見比べることをおすすめします。
標準仕様・オプション仕様の実物に見て触れることで、「標準仕様でも充分だ」「オプションのほうが良さそう」と納得して選べるようになります。さらに、各ハウスメーカーや工務店の比較検討がしやすくなり、予算内での家づくりにまた一歩近づくことができるでしょう。
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各ハウスメーカー・工務店の標準仕様を調べる方法
ハウスメーカーや工務店によって標準仕様の内容が異なるため、事前に標準仕様をしっかり調べることが後悔のない家づくりに繋がります。しかし、中には「標準仕様の調べ方がよくわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。
ここからは、各ハウスメーカー・工務店の標準仕様を調べる方法を解説します。最適な情報収集を行い、夢のマイホームづくりを実現させましょう。
各ハウスメーカー・工務店の標準仕様を調べる方法とは
各ハウスメーカー・工務店の標準仕様を調べる方法として、主に以下のような方法があります。
- 住宅展示場のモデルハウスを見学する
- モデルハウスやショールームで営業スタッフに質問する
- 各ハウスメーカー・工務店の公式サイトで確認する
- 各ハウスメーカー・工務店の最新カタログ等を資料請求し確認する
中でも効率的な調べ方は、まず各ハウスメーカー・工務店の公式サイトやカタログ、資料等で標準仕様の概要を把握し、その後、実際に住宅展示場に足を運んで実物を見ること。多くのハウスメーカーや工務店では床材や壁材、水回り設備などの標準仕様の一部がWeb上で公開されているため、事前にある程度の情報を得ることが可能です。
そのうえで住宅展示場やショールームに足を運ぶことで、実際の質感や使い勝手、カタログに載っていない詳細な仕様を直接確認できます。「カタログ等で情報収集→住宅展示場で見学」の流れを踏むことで無駄な時間や手間を省きつつ、自分に合ったハウスメーカーや工務店を見つけましょう。
関連記事:「ハウスメーカーに資料請求するには?おすすめのタイミングや方法、注意点を学ぼう」
ハウスメーカー・工務店の営業スタッフに質問する方法がおすすめ
標準仕様を調べる方法として特におすすめなのが、ハウスメーカーや工務店の営業スタッフに直接質問すること。というのも、同じ会社であっても地域(例えば寒冷地仕様など)によって標準仕様が異なる場合があり、Web上の情報だけでは正確な内容を把握できないことがあるからです。
また、情報収集の際には情報の鮮度や信頼性にも注意が必要です。SNSや住宅比較サイトなどから口コミを参考にすることもできますが、中には古い情報や誤った内容が掲載されていることも。さらに、標準仕様は時代や顧客ニーズに合わせて内容が見直されることも少なくありません。
つまり、標準仕様を詳しく知りたい場合は、ハウスメーカーや工務店の営業スタッフに直接問い合わせるのが一番確実です。質問は公式サイト等からのタイミングでも構いませんが、住宅展示場を訪れて実物を見ながら確認することで、より具体的かつ有益な情報が得られるでしょう。
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標準仕様の内容をしっかり確認して比較検討すべき
標準仕様と言っても、ハウスメーカーや工務店によってその内容は大きく異なります。例えば、ある会社では標準仕様に含まれているキッチンが、別の会社ではグレードアップのオプション扱いになるということは決して珍しくありません。
見積もりが似たような金額であっても、標準仕様の内容に差異があれば実質的な価格差に繋がります。そのため、各ハウスメーカーや工務店の標準仕様の内容を細かく確認し、同じ基準で比較検討することが必要不可欠です。
納得のいく家づくりを実現するためにも、少し手間をかけてでも情報を丁寧に精査することをおすすめします。
関連記事:「ハウスメーカーにカタログ等を資料請求する際の4つの注意点とは?収集のコツも解説」
個性豊かなモデルハウスで理想の家づくりをサポート
私たち株式会社アルスは、宮城県にて東北最大級の総合住宅展示場「利府ハウジングギャラリー」を運営しています。
敷地内には、各ハウスメーカー様が自信を持ってお届けする個性豊かなモデルハウスと、お客様の展示場見学や家づくりを幅広くサポートするセンターハウスを完備。
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