ご自身の予算と家族が叶えたい暮らしのイメージに合わせ、理想のマイホームを作り上げていく注文住宅の家づくりでは、自由度が高い分、決めなければならないことがたくさんあります。
そこで今回は、忘れてしまいがちなことや注意点も含めた計15項目の「注文住宅を建てるために決めることリスト」を、実際に家を購入・取得する時の流れに沿って解説していきます。
近い将来、注文住宅を建てたいと考えているけど、具体的にやること・決めることがわからなくて漠然とした不安を感じているという方は、ぜひ参考としてご覧ください。
注文住宅を取得するまでの4つの段階について
注文住宅を購入し、引き渡しを受けて住み始めるまでには、大きく以下4つの段階があります。
- 注文住宅の購入に向けて情報を収集・整理する準備段階
- 土地と施工会社を選び、売買と工事の仮契約をするまでの段階
- 工事開始に向けて打ち合わせを重ね、家の詳細を決める段階
- 着工から家の引き渡しが完了するまでの段階
そこで以下からは、上記4つの段階ごとに注文住宅の買主であるお客様が決めるべきことのリストを、決める上での注意点と一緒に紹介していきます。
【準備段階】注文住宅について決めることリスト
まず、注文住宅を建てるための準備段階における決めることリストの一覧は、以下の通りです。
- 注文住宅の予算限度額
- 住みたい、土地を購入したいエリア
- 家づくりに関する希望と優先順位
- 外観と間取りのイメージ
ここからは、これら4つの項目を決めるために具体的にどのようなことを検討すればいいのかについて、確認していきましょう。
注文住宅の予算限度額
注文住宅の購入・取得に向けて、買主であるお客様がまず決めるべきことは予算の上限額です。
家づくりにどのくらいのお金をかけるかは、世帯での年収や貯金額の他、建てる人の価値観によっても変わってきます。また家づくりを依頼することになるハウスメーカー、工務店における価格帯も業者によって幅があるため、あらかじめ予算の限度額を決めておく必要があるのです。
土地を所有していない場合は土地代込みで、注文住宅の建築と購入にどれくらいお金をかけるのか、その上限を決めておきましょう。
なお、注文住宅を購入する際の限度額を決める時は、以下のような点にも注意が必要です。
- 原則として現金払いが求められる諸費用や頭金等は、自己資金で賄えるか
- 返済の負担率を25%以下に抑える場合、住宅ローンはいくら借りられそうか
- 親や親族等からの資金援助は期待できそうか、あるなら金額はどのくらいか
- 現在の世帯年収と貯金額から考えて、どのくらいの予算設定が妥当か
- 土地の購入と住まいの建築に、それぞれどのくらいの予算を配分したいか
関連記事:「注文住宅を買う時の諸費用はいくら?具体的な相場・内訳の一覧を節約のコツとともに紹介」
住みたい、土地を購入したいエリア
全体予算のうち、土地の購入にかけられる金額が見えてきたら、以下の条件をもとに、住宅用地を探して購入するエリアを絞り込んでいきましょう。
- 土地の価格相場が、自身が設定した予算に合っているか
- 現在、また将来的な通勤・通学や生活上の利便性を確保できるか
関連記事:「注文住宅を土地なしの状態から建てる流れとは?希望エリアに土地がない場合の対処法も解説」
なお、既に家を建てるための土地を所有しているという場合は、家を建てるエリアを検討する必要はありませんので、次の項目に進んでください。
家づくりに関する希望と優先順位
次に、注文住宅の購入にあたって建てたい・住みたい家のイメージを家族間ですり合わせます。
具体的には今住んでいる賃貸住宅への不満や、これから建てる家で叶えたいこと、どのように暮らしていきたいかといった点について話し合い、実現の優先順位をつけておいてください。
外観と間取りのイメージ
家の外観や間取りをある程度イメージしておけば、ご自身とご家族にとってのデザインの好みや、間取りへの希望が明確になり、相性の良いハウスメーカー・工務店を探しやすくなります。
注文住宅の購入で叶えたい暮らしが見えてきたら、どのような家なら自分たちの理想が実現できるのかについても、具体的に考えてみましょう。
なお、住みたい家の見た目や間取りをうまくイメージできないという場合は、総合住宅展示場で複数のモデルハウスを見て回って、参考にするのもおすすめです。
関連記事:「初めての住宅展示場もコレで安心!見学の流れやチェックポイントなど」
【契約まで】注文住宅について決めることリスト
情報の収集と整理が終わったら、いよいよ家づくりに向けて本格的に行動を起こしていきます。
ここからは注文住宅を購入・建築する上で必要になる施工会社との仮契約、そして土地の売買契約を交わすために決めることリストについて、見ていきましょう。
- 注文住宅を購入・取得する上で譲れない条件
- 家の設計・建築を依頼する施工会社
- 購入する住宅用地(土地を所有していない場合)
- 具体的な資金計画と住宅ローンを申請する金融機関
注文住宅を購入・取得する上で譲れない条件
複数の施工会社の中から、最終的に家づくりを依頼する1社を決定するには、候補となった3〜5社から相見積もりを取り、各社の設計プランと見積もり内容をしっかりと比較・検討する必要があります。
なお相見積もりは、各社に同じ条件で設計と見積もりの作成を依頼し、比較するのが一般的です。
そのため、買主はこの段階で各社に伝える家づくりの条件(注文住宅を建てる上で絶対に叶えたいこと・譲れないこと)を決めておかなければなりません。ネットやカタログだけでなく、モデルハウスもたくさん見学して、各社の家の特徴や強み、素材の色合い、質感などを実際に体感した上で、住宅の間取りやデザイン、構造、工法、性能に求める条件を固めてください。
関連記事:「新築の家づくりで後悔したことをランキング形式で解説!住宅のプロが教えるTOP5とは?」
家の設計・建築を依頼する施工会社
相見積もりを取り、注文住宅の設計・建築を依頼する会社を決めたら、仮契約を交わします。
ここで言う仮契約とは、相見積もりで提示された大まかな設計プランと概算見積もりに合意し、家づくりをお願いするという意思を買主から施工会社側へ伝えるための契約のことです。
仮契約を交わすことで、注文住宅の詳細な設計と見積もりの依頼や、工事請負契約(本契約)を結ぶことが可能になります。
関連記事:「ハウスメーカーで注文住宅の仮契約をする際の確認事項は?押さえておくべき注意点も」
購入する住宅用地(土地を所有していない場合)
注文住宅を建てるための土地を所有していない場合は、購入する土地についても施工会社と同時進行で検討を進めていかなければなりません。
ハウスメーカーや工務店が扱う土地を購入する場合は、担当者の先導のもとで比較的スムーズに土地の売買契約と工事の仮契約が完了しますが、不動産会社などの紹介で土地を買う場合は、施工会社との仮契約のタイミングに合わせて自分で土地の購入スケジュールを調整する必要があるため、注意が必要です。
具体的な資金計画と住宅ローンを申請する金融機関
仮契約を交わすと、物件に関する書類を入手できるようになるため、住宅ローンの仮審査(事前審査)への申し込みが可能になります。
施工会社と本契約(工事請負契約)を交わした後、すぐに住宅ローンの本審査へ進めるように、この時点で資金計画を具体化し、条件の合う金融機関へ仮審査申し込みをしておくと安心です。
【着工まで】注文住宅について決めることリスト
施工会社との仮契約を終えたら、あとは工事開始に向けて家の詳細を決めていきます。具体的な決めることリストとしては以下の5点が挙げられますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 購入した土地に対する建物の配置
- 間取り
- 内装のデザインとグレード
- 外観、外構のデザインとグレード
- 地鎮祭や上棟式などの神事を行うかどうか
購入した土地に対する建物の配置
購入した土地の面積・形状に対して、どのように建物や外構部を配置するかを決めていきます。
駐車場の要・不要やペットの有無、家族の生活リズムによって適切な建物の配置や外構部分の作りは変わってきますので、施工会社の担当者に相談しながら、ご自身とご家族にとってベストな配置を考えてみましょう。
間取り
家の配置と形状が決まったら、事前に確認しておいた譲れない条件やこだわりをもとに、間取りを決めていきます。
なお間取りを決める時は、現在の家族の生活習慣を参考に、実際に暮らし始めた後の生活動線、家事動線をイメージして、以下のような項目について少しずつ決めていくと良いでしょう。
- 各部屋の区分けや広さ、用途
- 収納スペースの数、配置、広さ
- 各部屋や廊下における照明とスイッチの位置
- 家電を使うための電気コンセントの位置、数 など
関連記事:「家づくりでよくある失敗談とは?経験者の声をもとに注文住宅で注意すべきポイントを解説」
内装のデザインとグレード
間取りの次はキッチン、トイレといった水周りの設備や、壁紙、建具など、内装の色とデザインを決めていきます。
注文住宅の設備や壁紙、床材をはじめ、後述する屋根や壁、扉、窓等にはグレードがあり、グレードの高いものはオプション仕様となるため、採用すると追加料金がかかるのが一般的です。
設備にこだわるあまりグレードの高いものばかり選んでいると、あっという間に予算の上限額をオーバーしてしまいますので、ご自身にとってこだわるべきポイントがどこかを考えながら、慎重に内装を決定してください。
関連記事:「注文住宅でこだわりたいポイントは?家づくりで失敗しないためのコツも解説」
外観、外構のデザインとグレード
建物の外観や庭、駐車場といった外構部分のデザインも家全体の印象を決める重要な要素です。
外観は周辺の建物・環境にも配慮して、また外構はご自身・ご家族の生活習慣をベースに建物とのバランスを考えて、以下のような箇所のデザインや配色、素材を決めていくと良いでしょう。
- 屋根の形状と素材、配色
- 外壁の素材と配色
- 玄関の扉、各所の窓、ベランダのグレードとデザイン
- 庭の広さ、植栽や駐車場の有無
- 門扉や塀の有無、デザイン など
関連記事:「注文住宅の外観の決め方を解説!失敗しないおしゃれなデザインのコツや注意点も」
地鎮祭や上棟式などの神事を行うかどうか
注文住宅についてひと通りの設計が完了したら、施工会社と工事請負契約(本契約)を結び、住宅ローン本審査への申し込み、ローンの契約手続きを経て、いよいよ工事開始となります。
なお、注文住宅のような建物を新築する際には、工事の安全を願うための地鎮祭や上棟式などの神事を執り行う場合があります。近年では省略するケースも多いですが、もし行うのであれば、日程や依頼する神職者を決め、お供え物等を手配する必要があると覚えておきましょう。
関連記事:「家を建てる際の年回りの調べ方を解説!契約や建築を避けた方が良い時期とは?」
【完成まで】注文住宅について決めることリスト
着工後、住まいが完成するまでに決めることリストとしては、以下の2点が挙げられます。
- ご近所の方への挨拶回りや引き渡し時期をいつにするか
- 新しい家具、家電の購入や引越しのスケジュール
工事が始まってしまえば、買主が決めるべきことは家の引き渡しと入居のスケジュール、そしてそのための買い出しや、ご近所への挨拶回りの予定くらいです。施工会社の担当者に確認を頼んだり、家族で現場を見学するなどして工事の進捗をチェックしながら、予定を決めましょう。
なお、建物の完成後は完了検査と竣工検査(施主検査)を経てから引き渡しとなります。引き渡し後にスムーズに入居ができるように、事前に家具・家電の購入を含む引っ越しの準備を進めておくようにしましょう。
決めることリストを整理すれば、注文住宅取得のためにやるべきことが見えてくる
注文住宅の購入にあたって買主が決めることは多岐にわたりますが、こうして一つずつ整理してリスト化しておけば、やるべきことが明確になり、家づくりへの不安が解消されるでしょう。
なお、もしも決めるべきことが決められずに悩むようなことがあれば、契約した施工会社の担当者や、総合住宅展示場の各モデルハウスに常駐している営業担当にお気軽にご相談ください。
家づくりのプロとしての視点から、決断に必要な情報や考え方のヒントをもらえるはずです。
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