新築で注文住宅を建てる際は、土地や家の購入・建築費用以外にも各種の税金がかかります。
そこで今回は、家を建てる際に支払う必要がある税金の種類や金額の目安について、家の購入時のみかかるものと購入後に継続的にかかるものに分けて解説。併せて、新築で家を建てる際に使えるかもしれない税金の軽減・控除・優遇制度、補助金等についても紹介していきます。
マイホームの資金計画を立てる上で、知っておいて損はない情報ばかりなので、ぜひ最後までご確認ください。
家を建てる前に知っておいてほしい「税金の基本と対策」
まずはじめに、家を建てる際に発生する税金の計算方法と一般的な金額の目安、そして新築の注文住宅を購入する上で知っておくべき税金対策の基本について、順に紹介していきます。
新築で注文住宅を建てる際には、土地と建物の購入・建築費用として、少なくとも数千万円のお金がかかるのが一般的です。対して家を建てる際にかかる税金の額は、土地と家の購入費用や固定資産としての評価額に対し、種類ごとに決められた税率をかけて算出していきます。
そのため、購入する土地・家の価格や資産価値によっては、家を建てる際にかかる税金も高額になることがあるのです。具体的には、少なくとも数十万円単位の費用が新築住宅の購入と建築、および入居に伴う税金として必要になると理解しておきましょう。
関連記事:「土地あり・なしで家を建てる際の費用はどのくらい変わる?頭金と自己資金の目安額」
家を建てる時は「資金計画」と「制度活用」で税金対策を!
新しく家を建てるにあたって、無理なく、無駄なく税金を支払っていくには、あらかじめ税金のことまで考慮した資金計画を立てておく必要があります。家づくりを進める中で、購入する土地や家の価格・資産価値が見えてきたら、後述する各種税金の額を概算して、マイホームの予算の一部に組み込むようにしましょう。
また家を建てる際にかかる税金には、さまざまな軽減・優遇・控除制度が設けられています。これらの制度について正しく学び、適切な方法で申請して最大限に活用することも家を建てる際にできる効果的な税金対策の一つとなりますので、ぜひ併せて覚えておいてください。
家を建てる時は「資金計画」と「制度活用」で税金対策を!
新しく家を建てるにあたって、無理なく、無駄なく税金を支払っていくには、あらかじめ税金のことまで考慮した資金計画を立てておく必要があります。家づくりを進める中で、購入する土地や家の価格・資産価値が見えてきたら、後述する各種税金の額を概算して、マイホームの予算の一部に組み込むようにしましょう。
また家を建てる際にかかる税金には、さまざまな軽減・優遇・控除制度が設けられています。これらの制度について正しく学び、適切な方法で申請して最大限に活用することも家を建てる際にできる効果的な税金対策の一つとなりますので、ぜひ併せて覚えておいてください。
新築で家を建てる時・購入する時だけかかる税金4つ
新しく家を建てる際に必要となる税金には、大きく土地と家の購入から入居までの期間に一度だけ支払うべきものと、入居後、毎年継続的に支払う必要があるものの2種類に分けられます。
ここからは、まず家を建てる時・購入する時の初期費用として必要な4つの税金の種類と金額の目安について見ていきましょう。
関連記事:「家を建てる費用の相場っていくらくらい? 注文住宅に必要な気になるお金のことを解説」
なお記事内で紹介する内容は、2024年1月現在の税制に関する情報をまとめたものです。今後の法改正によっては、各種の税率や軽減・優遇・控除制度の適用要件、金額等が変更になる恐れがあります。あらかじめご了承の上、詳細は施工会社等の営業担当者へお問合せください。
その①印紙税
印紙税とは、特定の文書を作成する際に課される税金のこと。具体的には契約書等、経済的な取引や契約書を交わす際にかかる税金であり、新しく家を建てる際には、主に以下3つの契約を結ぶ場面で発生します。
- 土地、および完成した建売住宅を売買するための「売買契約書」
- ハウスメーカーや工務店に建築工事を依頼するための「建築請負契約書」
- 金融機関と住宅ローン契約を結ぶ際の「金銭消費貸借契約書」
なお印紙税の金額は、取引する金額によって変わります。また、平成26年4月1日から令和6年3月31日までに交わされる土地・建物等の不動産の売買契約書、新築工事の請負契約書の税額については、以下の通り軽減措置が適用されますので、併せて確認しておきましょう。
契約金額 | 通常の印紙税額 | 軽減後の印紙税額 |
100万円を超え500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1千万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1千万円を超え5千万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5千万円を超え1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
【参考】不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁
その②登録免許税
登録免許税とは、新築住宅が完成し、所有権が買主に移る段階で発生する税金のこと。具体的には、土地・建物等の不動産手続きに際して発生する税金ですが、印紙税と一緒にハウスメーカーや工務店の担当者、または司法書士に渡して、支払いを代行してもらうのが一般的です。
登録免許税が発生する3つの手続きの名称と基本的な税率、また軽減措置を受けた場合の税率については、以下の一覧にまとめましたので参考にご覧ください。なお税率の軽減を受けるための要件としては、床面積が50㎡以上であることや、新築または取得後1年以内の登記であること等が挙げられ、適用期限は令和6年3月31日までとなります。
所有権保存登記 | 新築住宅等、以前に持ち主が登記されていなかった不動産等の所有者を登録する手続き。土地や家の所有権を正式に買主に移すもの。本来は土地なら固定資産税評価額×1.5%、建物は0.4%で税額を計算する。
ただし、一定の条件を満たすと建物の税率が0.15%に軽減される。 |
所有権移転登記 | 土地や建物の所有者が変更になった際に行う登記手続き。本来は土地・建物ともに固定資産税評価額×2%で算出する。
ただし、一定の条件を満たすと建物の税率が0.3%に軽減される。 |
抵当権設定登記 | 所有権登記された不動産に、金融機関等が担保権を設定(住宅ローンの担保)とするために行う登記手続きのこと。通常は債権金額×0.4%で算出される。
ただし、一定条件を満たす住宅の場合は、税率が0.1%まで軽減される。 |
その③不動産取得税
不動産取得税とは、新しく不動産を購入・取得した場合に課される税金のこと。都道府県に1度だけ納める税金であり、土地・建物の所有権が買主に移った後、数か月から1年後に支払いを求められるのが一般的です。
なお不動産取得税は、不動産の固定資産税評価額×4%で算出するのが原則です。ただし、令和6年3月31日までに取得した宅地または住宅であれば税率が3%に軽減される他、宅地の評価額が1/2になる特例措置が適用されます。また新築一戸建てのうち、建物の延べ床面積が50㎡以上240㎡以下であれば1,200万円の控除が、長期優良住宅であれば1,300万円の控除が受けられるため、併せて覚えておくと良いでしょう。
さらに、住宅用地として取得する土地に関しては、一定の条件を満たした場合に以下どちらかの税率の軽減・控除措置のうち、金額の大きい方が適用されます。
- 45,000円未満の場合は、税額がその金額が適用
- 土地1㎡あたりの評価額×住宅の床面積の2倍(1戸あたり200㎡を上限)×税率
その④消費税
新築で家を建てる場合、消費税が課税されるのは原則建物だけで、土地にはかかりません。
ただし新築の注文住宅の場合は、ハウスメーカーや工務店に支払う設計費と建築費も課税対象となり、それぞれ10%の消費税がかかります。
家を建てた後、毎年継続的にかかる税金2つ
次に、家を建てて入居した後、不動産を所有している限りかかり続ける2種類の税金について、税率や軽減措置の情報とともに見ていきましょう。
その①固定資産税
固定資産税とは、土地や家等の不動産(固定資産)を持つ人に対して課される税金のこと。
毎年1月1日時点で固定資産を有している人に対し、お住まいの市町村から4〜6月頃に納付書が届くもので、一括または4分割での納付が求められます。
なお税額は、原則「固定資産評価額×1.4%」で算出されますが、固定資産税の税率は市町村によって異なる場合があります。また令和6年3月31日までに新築された住宅に対しては、土地・建物それぞれに以下のような課税標準額の軽減措置が適用されます。
土地(住宅用地)の特例措置 | 住宅1戸につき200㎡までなら固定資産税が1/6に、200㎡以上なら1/3に軽減される。 |
新築住宅に対する軽減制度 | 床面積120㎡までの各種の新築住宅は、それぞれ以下の期間、固定資産税が1/2になる減額措置を受けられる。
【一般住宅】新築後3年度分 【一般の長期優良住宅】新築後5年度分 |
その②都市計画税
都市計画税とは、1月1日時点で市街化区域内に不動産を持つ人に対して、市町村から課される税金です。納付書は固定資産税のものと一緒に届けられ、市街化区域外に不動産をお持ちの場合は、支払う必要がありません。
なお、都市計画税の税率は市町村によって異なりますが、最大で評価額×0.3%となります。
ただし、住宅用地については軽減措置があり、200㎡までは1/3に、200㎡以上は2/3まで都市計画税が軽減されます。
【参考】総務省|地方税制度|都市計画税
家を建てた時の税金が戻る「住宅ローン控除」とは?
新築住宅の購入にかかる6種類の税金や税率、金額を大まかに理解できたら、ここからは、借り入れた金額に応じて税金が戻ってくる「住宅ローン控除制度」について学んでいきましょう。
住宅ローン控除制度とは、「住宅ローン減税」や「住宅借入金等特別控除」と呼ばれることもある制度です。多くの方が無理なく、各々のニーズに合った家を確保できるように作られた仕組みで、住宅の新築・取得・増改築等をした場合に、居住開始後の年末時点でのローン残高の0.7%を所得税(一部は翌年の住民税)より最大13年間控除し、税負担を軽減してくれます。
住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要
住宅ローンの控除を受けるには、必要書類を揃えた上で入居年の翌年に確定申告しなければなりません。なお会社員の方の場合、確定申告が必要なのは原則入居1年目のみです。2年目以降は、年末調整のタイミングで勤務先に必要書類を提出するだけで手続きが完了します。
控除の要件や期間は、令和4年に大幅変更済
令和4年度の税制改正により、住宅ローン控除を受けられる住宅の要件が一部変更されました。
具体的には、以下条件に該当する新築住宅は、何らかの省エネ基準に適合する建物でなければ住宅ローンの控除を受けられなくなっています。
- 2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅
- 2024年・2025年に入居する新築住宅
なお「省エネ基準に適合する建物」とは、長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅のいずれかに該当する建物のことを言います。また、控除期間はいずれも最大で13年間ですが、借り入れ限度額には以下のような違いがあるため、注意が必要です。
住宅の環境性能等 | 借り入れ限度額 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 令和4・5年入居の場合】5,000万円 【令和6・7年入居の場合】4,500万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 【令和4・5年入居の場合】4,500万円 【令和6・7年入居の場合】3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 【令和4・5年入居の場合】4,000万円 【令和6・7年入居の場合】3,000万円 |
一方で控除を受けるための要件に大きな変更はありませんが、床面積と合計所得金額に関する条件、そして必要書類の3点については変更されていますので、しっかり確認しましょう。
【参考】住宅:住宅ローン減税 – 国土交通省
軽減や控除制度と併せ、各種の補助金も活用を!
家を建てる際の経済的負担を軽減する方法の一つとして、ここまでに紹介してきた優遇・控除制度以外に、国や自治体、民間団体等が提供する各種補助金を利用するのもおすすめです。
補助金には、ZEH住宅等のスマエネ住宅の普及を目的としたものや、地方への移住促進を目的としたもの等さまざまな種類があります。ご自身の予算や家の理想像、家を建てた後にどのように暮らしていきたいか等も考慮し、使えそうな補助金がないか探してみると良いでしょう。
家を建てる時のための税金シミュレーション
最後に、以下条件で家を建てる際にかかる税額を具体的にシミュレーションしてみましょう。
- 土地の売買価格は1,000万円、建物は3,000万円で新築
- 土地の購入後、3年以内に一般住宅を建築して2024年に入居
- 固定資産評価額は土地700万円、建物は2,100万円(※それぞれ購入価格の70%を目安に計算、土地140㎡に対し建物100㎡とする)
- 住宅ローン借入額は3,500万円
家を建てる時に一度だけ支払う税金額の目安
印紙税/td> | 25,000円 | 土地売買契約:5,000円 工事請負契約:10,000円 住宅ローン契約:10,000円 |
登録免許税下 | 171,500万円 | 土地の所有権移転登記 ⇒700万円×1.5%=105,000円 建物の所有権保存登記 抵当権設定登記 |
不動産取得税 | 270,000円 | 土地 ⇒700万円×1/2×3%=105,000円 ※ただし、150,000円の軽減措置が適用されるため0円。 建物 |
合計 | 466,500円 |
家を建てた後に毎年支払う税金額の目安
固定資産税/td> | 約163,000円 | 土地 ⇒700万円×1/6×1.4%=約16,000円 建物 |
都市計画税 | 約70,000円/td> | 土地 ⇒700万円×1/3×0.3%=約7,000円 建物 |
合計 | 233,000円 |
シミュレーションでは、家を建てる時に必要な税金額はおよそ46万円、入居後に毎年継続的に払うことになる税金額はおよそ23万円という結果になりました。
ただ一般住宅ではなく省エネ基準に適合する住宅を建てた場合には、さらなる軽減措置や住宅ローン控除制度を利用できるようになります。軽減措置や控除制度をフル活用できれば、その分まとまった金額が返還されるようになるため、返還されたお金で毎年の税金を支払うことも可能になるでしょう。
ご自身の予算や建てたい家の条件をもとに、利用可能な軽減措置や控除制度等についてハウスメーカーや工務店の担当者に相談して、無理のない資金計画を立てるようにしてくださいね。
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