注文住宅では、家づくりに関するほぼすべての事柄を、お客様自身が決めていきます。
しかし、家づくりについては初心者であるお客様が家の間取りや仕様、設備等を決めるため、実際に住み始めてから「思っていたより不便」「失敗した」と感じる方が少なくありません。
そこで今回は、宮城県内で住宅展示場を営むアルスが、お客様や出展するハウスメーカーから見聞きしたことをもとに、家づくりでよくある失敗談を紹介していきます。
家の購入を検討している方は、本格的な打ち合わせや設計に入る前に、ぜひ最後までご覧ください。
家づくりの失敗談①お風呂と部屋の広さバランスを間違えた
まずは、1日の疲れを癒してくれるお風呂に関する家づくり失敗談について紹介します。
女性をはじめ、広くてきれいなお風呂場にこだわりや憧れを持つ方は、少なくありません。
そのため、新築で注文住宅を建てる際には、理想を詰め込んだお風呂場にするためにリビングや寝室等の部屋と同じか、それ以上の面積をお風呂に割り当てる方もいらっしゃいます。
また一方で、「入浴があまり好きではないので、お風呂の設備は最小限で良い」と考え、極端に狭い面積で、シャワーと小さな浴槽のみのお風呂場を作る方もいらっしゃるでしょう。
しかし、極端に広い・狭いお風呂場には、実際に住み始めてから以下のような不便を感じるケースが多いようです。
- お風呂場の面積を広く取り過ぎたため、同じ階の居室が全体的に狭くなってしまった
- 広いお風呂に憧れていたが、掃除やメンテナンスが大変な上、水道代やガス代が高い
- 家を建てる時は十分だと考えてお風呂を狭くしたが、入ってみると使い勝手が悪い
- 設計時に想定していたよりも家族が増えたため、狭いお風呂では面積が足りない 等
注文住宅でお風呂の大きさを決める際には、理想や憧れだけでなく、日々の管理にかかる労力と時間、家族が増える可能性についても必ず考慮するようにしてください。
その他、お風呂や水回りの家づくり失敗談
広さや居室とのバランス以外にも、お風呂に関する家づくり失敗談としては、以下のようなものが挙げられます。
- オプションでお風呂にテレビを付けたが、実際に住み始めると使わなかった
- 小さい子どもやペットが帰宅後すぐ入れるように、玄関近くにお風呂を作ればよかった
- 家族が多く、朝は水回りが混雑するため、脱衣所と洗面所を分ければよかった
- 深夜に家族が入浴する音が気になるので、寝室とお風呂の位置を離すべきだった
家づくりをする際には、上記にも気を付けながら、お風呂や水回りの間取りを考えると良いでしょう。
家づくりの失敗談②キッチン回りの動線が悪く、使いにくい
続いて紹介するのは、お風呂場と同様、女性がこだわりを持って設計することの多いキッチン周辺の家づくり失敗談です。
キッチンの使い勝手の良し悪しは、使用頻度や使う人の体格等により大きく変わってきます。
そのため、家族の生活動線や家事動線、ライフスタイル等を考慮せずに流行や間取りのバランス、憧れだけを重視して設計すると、以下のような不便が生じる可能性が高いでしょう。
- 対面式キッチンにしたが、通路が狭くすれ違うのが大変で、ゴミ箱の置き場所もない
- 家族で料理をする習慣があったが、通路が狭いため1人しかキッチンに立てなくなった
- 部屋を広くするために調理台を小さくしたが、家電を置くと作業スペースが取れない
- 置きたい場所に家電や調味料、調理器具等が置けず、料理がしづらい
- 動線を考えずに収納庫を設置したため、キッチンから収納庫への移動がしづらい 等
キッチン周辺を設計する時は、まずご自身や家族の生活習慣や家事動線を意識し、流行や憧れのデザインを取り入れながらも、使い勝手が良くなるように設備を決めると良いでしょう。
その他、キッチン回りの家づくり失敗談
通路や作業台が小さいことや、家事動線・生活動線が悪いことによる使いにくさ以外にも、キッチン周辺については以下のような失敗談があります。
- 奥行のあるキッチン収納庫を作ったが、取りに行くのが面倒で奥の方は使っていない
- 床下収納庫を作ったが、床に物を置いたり、中にゴミが溜まりやすいため使いにくい
- キッチン台の高さが、メインで料理をする人の身長に合っていなくて使い勝手が悪い
- オープンキッチンにしたが、来客時に手元や散らかっているのが見えて恥ずかしい
家づくりをする際は、料理や食事に関する家族の習慣や、メインで料理を担当する人の意見を十分に考慮した上で、どのようなキッチンが良いのか考えてみてください。
家づくりの失敗談③玄関付近の間取りや設備選びを間違えた
家族はもちろん、建物を訪れるすべての方が目にすることになる玄関は、いわば家の顔です。
居室や水回り、キッチン等に比べると設計が後回しになりがちですが、玄関回りにも家づくりにまつわる失敗談はたくさんあります。
特に多いのが、玄関回りのスペースの確保や設備に関する失敗談で、具体的には以下のような例が挙げられるでしょう。
- リビングやダイニング等、他の部屋にスペースを割きたくて玄関が極端に狭くなった
- 設計の際にシューズボックスを置く面積を考えておらず、使いにくい玄関になった
- 家族だけなら狭くても良いが、来客した場合を考えると、玄関を小さく作り過ぎた
- ベビーカーや子どもの屋外用おもちゃの置き場所として、土間を作ればよかった
- 普段は良いが、買い物や旅行の帰り等、大きな荷物がある時は狭くて通りにくい 等
家の前を通る人や来客等、家の中で最も他人の目に触れる玄関は、出入りがしやすく、収納もすっきり見えるように設計したいところ。
家づくりをする際には、家族の人数や今後の予定、そして来客の頻度や必要な収納スペースに重きを置いて玄関を設計し、失敗を防ぎましょう。
その他、玄関回りの家づくり失敗談
収納の有無やスペース配分の他にも、玄関周辺の家づくり失敗談としては、以下のようなものがあります。
- ビルトイン型の大きなシューズボックスを付けたが、圧迫感で玄関が狭く感じられる
- ドアに採光用の窓等をつけなかったので、昼間でも玄関が暗く、靴を着脱しにくい
- 玄関から玄関照明のスイッチに手が届かないため、帰宅後すぐ明かりをつけられない
- 玄関が向かいの家と向き合っているため、家を出る時に目が合って気まずいことがある
- 玄関が道路に面しているため、ドアを開放すると家の中が丸見えになってしまう
特に、玄関の採光・照明については、家の設計時にはなかなか思い至らないという方が多いでしょう。
また、玄関の位置や向きに関しても、家を建てる土地の周辺環境による影響が大きく、実際に住み始めるまで気付けないケースが多いので、注意が必要です。
家づくりの失敗談④外構の整備費用が思ったよりかかった
外構とは、敷地内に住宅として作られるもののうち、家以外の庭や植栽、塀、門、駐車場等のことです。こちらも玄関と並び、屋内に比べると後回しになりやすい場所と言えるでしょう。
しかし、外構も家の外観や出入りのしやすさ、過ごしやすさに関わる重要なエリアです。
そのため、外構も相応の予算をかけて整える必要がありますが、屋内の工事を優先するあまり整備費用を抑えると、以下のような失敗をする可能性があります。
- 大きな窓を付けたのに外構費用を抑えたため、外から家の中が見えてしまう
- 目隠し用のフェンスや植栽を設置しなかったため、ウッドデッキが使えない
- 費用を抑えたため玄関のひさしが短くなり、雨や日差しを十分に遮ってくれない
- 大きな車に買い替える可能性を考慮せず、小さい駐車場にしたため出入りしにくい
- 小さめに作った駐輪場が、子どもの成長とともに手狭になり、使いにくくなった 等
家づくりをする際には、外構の設計も決して軽視せず、しっかりと予算を確保した上で工事の内容を決めていきましょう。
家づくりの失敗談⑤収納スペースの数や面積が足りない
家の中に十分な収納スペースを確保できれば、家具や棚を設置する必要がなくなり、限られた居室スペースを最大限活用できるようになります。
そのため、家づくりを進めるにあたり、収納の数や広さ、形状にこだわる方は多いでしょう。
しかし、新築住宅を建てた方たちからは、こだわって作ったはずの収納スペースについて以下のような失敗談が多く聞かれます。
- ウォークインクローゼットを作ったが、通路があるため空間の割に服が入らない
- 上部収納も備えたウォークインクローゼットを作ったが、うまく使いこなせない
- 設計当時は子どもがいなかったため、子どもが生まれると収納が足りなくなった
- 十分な数の収納を作ったはずだったが、子どもの成長とともに足りなくなってしまった
- 家族みんなが集まるリビングの収納スペースが足りず、ものが溢れ返っている
- 収納の高さや奥行きが足りず、普段は隠しておきたい大きな家電が入れられない 等
流行しているからといって、また、取り入れている人が多いからといって、その収納の大きさや形状が、あなたの家や家族に適しているとは限りません。
家づくりをする際は、将来的な家族計画や生活動線、収納したいものを具体的に思い浮かべながら収納スペースの大きさや数、形状を決めることをおすすめします。
その他、収納に関する家づくり失敗談
大きさや数、形状以外の収納に関する家づくり失敗談としては、以下が挙げられるでしょう。
- 大きな屋根裏収納を作ったのに、ハシゴの上り下りが面倒で全然使っていない
- リビングに大きな窓を付けたら、壁面収納が作れなくなり、収納が足りなくなった
- 寝室にクローゼットを作ったが、生活リズムが異なる家族の着替える音が気になる
- クローゼットに取り付けた扉の開け閉めがしにくく、収納としても使いにくい
- 洗面所、脱衣所、廊下、ランドリースペース等、欲しい場所に収納がない
特に収納の場所については、家族の生活習慣に配慮して設計しないと、実際に住み始めてから後悔することになるかもしれません。
関連記事:「新築の家づくりで後悔したことをランキング形式で解説!住宅のプロが教えるTOP5とは?」
家づくりで失敗しないために注意すべきポイントは?
よくある家づくりの失敗談がわかったところで、最後に、注文住宅の家づくりを失敗させないために覚えておいてほしい3つのポイントを紹介します。
夢のマイホームを建てるのですから、家づくりの際にはどうしてもワクワクして、冷静さを欠いてしまいがちです。
以下を参考に、冷静に家の間取りや設備、オプションの必要性を検討するようにしましょう。
- 何よりもまず、家族の生活動線や家事動線、生活習慣に配慮するべし
- 理想だけでなく、現実的な予算や使い勝手の良さの両方を加味し、設計するべし
- 設計プランの打ち合わせは納得がいくまで重ねて、じっくり時間をかけるべし
個性豊かなモデルハウスで理想の家づくりをサポート
私たち株式会社アルスは、宮城県にて東北最大級の総合住宅展示場「利府ハウジングギャラリー」と県北唯一の総合住宅展示場「大崎エルハウジング」を運営しています。敷地内には、各ハウスメーカー様が自信を持ってお届けする個性豊かなモデルハウスと、お客様の展示場見学や家づくりを幅広くサポートするセンターハウスを完備。宮城県で注文住宅の購入をお考えの方、また将来的にマイホームを建てたいけど、何から始めたらいいのかわからないという方も、まずはお気軽に私たちの展示場へお越しください。家族にとって理想的な家づくりを実現するために、大きな一歩を踏み出すお客様を全力でサポートします。