注文住宅を建てるときに避けて通れないのが「住宅ローン」です。住宅ローンは金融機関で直接申し込む方法の他にハウスメーカーや工務店を通して契約する方法もあり、その手軽さから多くの方が利用しています。
しかし、ハウスメーカーや工務店経由で申し込む住宅ローンは便利である一方、注意点を知らずに契約してしまうと後悔に繋がることも少なくありません。
そこで今回は、ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組むメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。住宅ローンを組む際の注意点や審査の通りやすさもあわせてお伝えしますので、これから住宅ローンを組もうと考えている方は、ぜひ参考としてご覧ください。
ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組むメリット
家づくりを進める中で、住宅ローンの手続きに頭を抱える方は珍しくありません。もし金融機関の比較や書類準備に時間を取られるのは避けたいと考えているなら、ハウスメーカーや工務店経由で申し込む住宅ローンがおすすめです。
実はこの方法には契約者の負担を軽減し、安心して審査を進められるメリットがいくつもあります。ここでは、具体的な3つのメリットをわかりやすくご紹介します。
メリット1:手続きをサポートしてくれる
住宅ローンをハウスメーカーや工務店経由で申し込む最も大きなメリットが、面倒な手続きをサポートしてもらえることです。住宅ローンの審査には必要な書類が多く、金融機関ごとに提出書類や記載方法が異なるため、個人で進めるとどうしても時間や手間がかかりがちに。
しかし施工会社を通して申し込むことで、住宅ローンの各手続きに必要な書類を段階ごとに詳しく案内してもらえたり、書類の書き方について教えてもらえたりと、丁寧なサポートが受けられるため、悩むことなくスムーズに進められます。
「頑張って調べたけど手続きがよくわからない」という方にとって、申請漏れやミスを防ぐことができるのは何よりの利点でしょう。
メリット2:金利が優遇されることもある
ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組むと、個人で申し込むよりも低い金利が適用される場合があります。
もちろん優遇されるかどうかはハウスメーカーや工務店によりますが、たとえ0.1%でも総返済額に大きな差が生まれるため、条件次第では長期的に数十万円から数百万円の節約に繋がる可能性も。住宅ローンは生活に長期間影響するものだからこそ、金利もしっかり考慮おくことが大切です。
関連記事:「注文住宅にかかる初期費用とは?具体的にいくらが相場?内訳や準備する上での注意点も」
メリット3:審査が滞りなく進みやすい
住宅ローンの審査には段階が多く、求められる書類も複雑なものが少なくありません。しかし、ハウスメーカーや工務店経由で申し込むと、必要書類が一括で揃っているため審査がスムーズに進む傾向があります。
例えば、売買契約書といった一般的な書類から登記簿謄本・建築確認申請書などの専門的な書類まで、審査に必要な物件関連の書類を用意してもらえます。個人で申し込むより手間が省けるだけではなく、追加書類を求められることも少ないため、結果的に短期間で審査が完了することが多いです。
ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組むデメリット
ハウスメーカーや工務店を通じて住宅ローンを利用するのは確かに手間はかかりませんが、その一方で注意すべきデメリットもいくつか存在します。
ここからは、代表的なデメリットを3つに分けて解説します。契約後に後悔しないためにも、審査を始める前にしっかり確認しておきましょう。
デメリット1:手続きの代行手数料がかかる
ハウスメーカーや工務店を通じて住宅ローンを組む場合、手続きの代行手数料が発生します。必要書類の用意などの手厚いサポートは助かるものの、それに見合うだけのコストは支払わなければなりません。
代行手数料の相場は一般的に5万円から10万円ほど。この金額は現金での支払いかつ住宅購入費用とは別に支払う必要があるため、施工会社経由で住宅ローンを申し込む際は前もって用意しておくと安心です。
デメリット2:自分に最適な住宅ローンではない可能性がある
必ずしも自分にとって最適な住宅ローンが選べるとは限らないことも、デメリットのひとつ。ハウスメーカーや工務店経由で申し込む場合、提携している金融機関の中から選ぶことになるため、どうしても選択肢が限られてしまいます。
また、住宅ローンにはさまざまな種類がありますが、「この住宅ローンが良い」と思っていても、希望のローン商品が提携金融機関にない場合は申し込むことができません。
加えて、提携ローンが最安の金利とは限らないことも覚えておくべきです。提携外の金融機関のローン商品の方が金利が低い場合もあり、後から知って後悔したという方は少なくありません。
提携ローンのメリットばかりに目を向けず、他にもっと条件の良い住宅ローンがないかをしっかり確認することが大切です。
デメリット3:住宅ローンへの理解が乏しいまま契約してしまう
施工会社経由で住宅ローンを組めば担当者に説明や手続きなどをお願いできる一方、任せきりにしてしまうことで、住宅ローンへの理解が乏しいまま契約してしまうリスクがあります。
そのため、ローンの仕組みや金利タイプの違いを充分に把握しないまま話が進んでしまい、契約後に「金利が高くなって返済額が増えてしまった」「繰り上げ返済の条件を理解できていなかった」と後悔することも。
さらには、専門的な金融知識を持たない顧客を利用する悪質な担当者もまれにいます。「説明を鵜呑みにして契約したら予想以上に負担が大きくなってしまった」というケースもあるため、住宅ローンの仕組みを理解しておいて損はありません。
住宅ローンは種類が多いうえに、金利の違いや保証料の有無なども複雑です。だからと言ってハウスメーカーや工務店に任せきりにせず、ご自身でもローンに関するさまざまな情報を集め、自分に合うかどうかを判断するようにしましょう。
関連記事:「家を建てるのにいくらかかる?費用の平均と価格別の住まいイメージの違いについて解説」
ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組む際の注意点
ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組むメリットとデメリットを踏まえたうえで、提携ローンを選択する方も多くいらっしゃるかと思います。契約後に後悔しないためにも、これからお伝えする4つの注意点を念頭に置いたうえで契約を進めることをおすすめします。
担当者に任せきりにせず、住宅ローンの仕組みを理解しておく
住宅ローンは、自分自身で仕組みを理解しておくことが何よりも大切です。住宅ローンの仕組みは複雑ですが、金利の種類や返済方法によって将来の返済額や負担が大きく変わるため、ご自身やご家族のためにも知っておいたほうが良いでしょう。
例えば、変動金利の住宅ローンを選んだ場合、金利が上昇すると毎月の返済額が増える可能性があります。一方、固定金利なら返済額は安定しますが、初期の金利は高めに設定されることが多く、毎月の負担が大きく感じることもあるかもしれません。
自分に合った住宅ローンを納得して選ぶためにも、住宅ローンの仕組みをしっかり理解しておきましょう。
なお各金融機関の公式サイトには、住宅ローンの融資に関する情報が詳しく掲載されています。取り扱うローン商品の特徴や選び方がまとめられており、幅広く情報収集したいときには参考になります。また、金融機関ではオンラインや対面で無料相談もできるため、このようなサービスを利用してみるのもおすすめです。
借入限度額を決めて、無理のない返済計画を立てる
住宅ローンは「いくら借り入れられるか」ではなく「いくらなら返せるか」を基準に考えるようにしましょう。
借入額が大きければ大きいほど毎月の返済負担が重くなり、生活に余裕がなくなる恐れも。たとえ金融機関の審査で4,000万円まで借入可能と判断されても、ご自身やご家族の状況を踏まえて3,000万円程度に抑えることは賢明な判断だと言えます。
また、毎月の負担がイメージできないという場合は、各金融機関などが提供している住宅ローンシミュレーターを活用してみましょう。具体的な返済額を事前に把握することで、無理のない借入額を判断しやすくなります。
関連記事:「【事例あり】家を建てるのに貯金はいくら必要?初期費用を抑えるコツも!」
担当者に勧められた1社だけで検討せず、自分に合った住宅ローンを選ぶ
住宅ローンは複数の選択肢を比較して、ご自身に合ったものを選ぶことが重要です。担当者に勧められた提携ローンが1社だけだとしても、他に提携金融機関はあるか、どんなローン商品を取り扱っているのかなどを細かく確認しておくと、ご自身の生活に合った住宅ローンが見つけやすくなります。
さらに、ご自身でも提携外の金融機関の住宅ローンを調べておくことをおすすめします。ハウスメーカーや工務店が紹介する住宅ローンの金利が本当に安いのか、自分に合った返済条件なのかを確かめるという意味でも、提携外ローンとの比較検討には大きな価値があります。
納得できるまで担当者に相談する
納得できるまで担当者に相談することも、住宅ローンを契約する際に欠かせないポイントのひとつ。住宅ローンは複雑なうえに長期にわたる契約であるため、理解が不十分なまま進めてしまうと大きな負担や後悔に繋がるかもしれません。
ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを申し込む利点は、担当者が手厚くサポートしてくれる点にあります。疑問が出てきたときこそ積極的に相談し、不安をひとつずつ解消していきましょう。最終的にご自身が心から納得して契約できることが、将来の安心に繋がります。
関連記事:「注文住宅など家を建てる時の相談先はどこ?料金の要・不要別のおすすめ相談先6選」
ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組む際のよくある質問
最後に、ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組む際によく寄せられる質問と、その答えをお伝えします。
施工会社経由での住宅ローンを断った場合、何かデメリットはある?
提携ローンを勧められている方の中には、「断ってしまったら家づくりに何か影響が出るのでは?」と不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。
提携ローンを断っても、営業担当者の対応が変わったり金銭的な不利益が生じたりすることは基本的にありません。ただし、2つの注意点があることは覚えておきましょう。
1つは住宅ローンの比較検討や審査に必要な書類の準備など、手続きを自分で行う必要があること。そしてもう1つは、提携ローンを組んだ方対象の特典やキャンペーンが受けられなくなる可能性があることです。
手続きの手間やサービスの有無も含め、しっかり確認して判断すると良いでしょう。
自分に合った住宅ローンをしっかり検討しよう
ほとんどの方にとって住宅ローンは初めての契約だからこそ、多くの不安や疑問を抱えているはずです。ハウスメーカーや工務店経由で住宅ローンを組む際は多くのメリットがありますが、後から自分に合わない住宅ローンだと気づいたり、もっと金利が安いローンがあったと後悔することも少なくありません。
住宅ローンは、ご自身やご家族の生活に長期的な影響を及ぼす大切な契約。提携ローンはあくまで選択肢のひとつと考え、必要に応じて提携外の金融機関のローン商品も調べてみましょう。
ご自身に最適な住宅ローンを慎重に検討したうえで決定することで、後悔のない理想の家づくりが実現できます。
関連記事:「家を建てる前に必要な準備とは?家づくりの段取りや流れと一緒に解説」
個性豊かなモデルハウスで理想の家づくりをサポート
私たち株式会社アルスは、宮城県にて東北最大級の総合住宅展示場「利府ハウジングギャラリー」を運営しています。
敷地内には、各ハウスメーカー様が自信を持ってお届けする個性豊かなモデルハウスと、お客様の展示場見学や家づくりを幅広くサポートするセンターハウスを完備。
宮城県で注文住宅の購入をお考えの方、また将来的にマイホームを建てたいけど、何から始めたらいいのかわからないという方も、まずはお気軽に私たちの展示場へお越しください。
家族にとって理想的な家づくりを実現するために、大きな一歩を踏み出すお客様を全力でサポートします。