注文住宅を建てる際には、さまざまな項目についてお客様ご自身が決めなければなりません。
そのため、家づくりを進めていく中で判断に迷ったり、家族間で意見が食い違うこともあるでしょう。そんな時のために、あらかじめ準備しておいてほしいのが、注文住宅を設計する際の指針となる「家づくりチェックシート」です。
そこで今回は、大きく予算とローン、購入する土地、住宅の間取り、施工会社選びの4つの分野に分けて、家づくりの際にチェックすべきポイントを一覧にして紹介していきます。
注文住宅の購入を検討している方は、家づくりに向けて具体的に動き出す前に、ぜひ参考にご覧ください。
予算とローンに関する家づくりチェックシート
家づくりの際には、まず注文住宅にかけられる予算について明確にしておく必要があります。
具体的には、資金調達の方法とその割合、住宅ローンや返済方法の種類について、以下のチェックポイントを参考に確認していくと良いでしょう。
資金調達の方法についてのチェックリスト
家づくりに使える自己資金はどのくらいあるのか
親や親戚からの資金援助はあるか、期待できそうか
費用のうち、どの程度を自己資金で賄えそうか
頭金のうち、どの程度を自己資金で賄えそうか
費用のうち、どの程度を住宅ローンで賄いたいか
収入と貯蓄を考慮した結果、いくらぐらい借り入れが可能か
自己資金と借り入れ可能額を考慮した総予算はいくらか
住宅ローンは、1人または夫婦2人でのどちらで組むのか
どの金融機関に、住宅ローンの仮審査を申し込むか
住宅ローンと返済方法についてのチェックリスト
金利プランは固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型のどれが良いか
返済方法は元利均等返済、元金均等返済のうち、どちらが良いか
自身と家族の年収を考えた場合、無理のない毎月の返済額はいくらくらいか
借り入れ年数と返済期間はどのくらいにしたいか、また妥当か
繰り上げ返済やボーナス返済の仕組みは利用するか
ボーナス返済をする場合、1回あたりの返済額はいくらにするのか
返済計画は、将来的な家族の増減やライフスタイルの変化、固定資産税、メンテナンスコスト等も考慮した上で立てたか
なお、毎月の住宅ローン返済額を決定する際には、返済負担率を考慮しなければなりません。
返済負担率とは、住宅ローン等を借りた人の年収に対し、返済額が占める割合のことです。
返済比率とも呼ばれるもので、この返済負担率の値が小さくなればなるほど、家計にかかるローン返済の負担が少なくなります。
住宅ローンの場合、理想的な返済負担率は年収に対して25%以内だと言われていますので、この値を目安に返済計画と借り入れ額を考えてみると良いでしょう。
購入する土地に関する家づくりチェックシート
家づくりにかける費用の総額と、土地と建物へのおおまかな予算の振り分けを決めたら、次はどのような土地に注文住宅を建てたいかを考えていきます。
以下のチェックポイントを参考に、どのような条件を満たす土地に家を建てたいのか、考えてみると良いでしょう。
立地についてのチェックリスト
具体的にどの地域の、どのエリアに住みたいのか
最寄りの駅やバス停からのアクセスは、何分以内が良いか
周辺の商業施設の数や距離、アクセスはどのくらいが理想的か
公園や幼稚園、保育園、学校等が近く、治安が良く子育てしやすい環境か
通う可能性が高い診療科目のクリニックや病院が近くにあるか
夫婦で住む家を建てる場合、互いの実家への距離はどのくらいか
家族の通勤、通学先からの距離は、どのくらいが理想的か
将来的に家族構成や環境が変わっても、暮らしやすい立地か
土地の諸条件についてのチェックリスト
建てる家は平屋が良いか、それとも2階建てや3階建てが良いのか
家族が必要とする部屋数、希望する間取りの実現にはどのくらいの土地面積が必要か
日当たりや風通し、災害リスク、近隣の建築計画等の周辺環境はどうか
法令上の制限が少なく、家族が住みたい家を建てられる土地か
地盤の状態はどうか、地盤改良工事が必要になる可能性はどのくらいか
土地に接続する道路の交通量や人通りは、どのくらいあるか
周囲に線路や高速道路等、騒音や揺れの原因になるものがないか
特殊なルールや義務のある地域、自治会でないか
交通量や日当たり等、購入予定の土地の周辺環境について知りたい時は、異なる天候や曜日、時間帯で何度もその土地へ行き、条件を変えて確認するのがおすすめです。
また、法令上の制限の有無や地盤の状態等、専門家による検証が必要な部分については、土地を紹介してくれた不動産会社やハウスメーカー、工務店等に確認してみると良いでしょう。
なお、上記のチェックポイントはあくまで一例であり、家を建てる土地に求めることは家族の生活習慣や事情により、大きく異なってきます。
ご自身や家族が住まいにどのようなことを求めているのか、よく確認した上で、購入する土地の条件をリストアップしてください。
関連記事:「家づくりのスケジュールと流れは?注文住宅を建てる工程と一緒に紹介」
注文住宅の間取りや外観に関する家づくりチェックシート
続いては、家族みんなで暮らすことになる家の間取りや外観についてチェックしていきましょう。
理想とする家のデザインや間取りは人によって異なり、家族間でも多少のズレがあります。
以下のチェックポイントを参考に家族で話し合い、それぞれがどのような家に住みたいと考えているのか、イメージをすり合わせてみてください。
建物や窓、外観についてのチェックリスト
住宅の向きはどの方向が、隣家との距離はどのくらいが理想的か
窓の位置や大きさ、種類、材質はどのようなものが良いか
家の外観デザインは、どのような雰囲気が理想的か(例:和風、洋風、北欧風 等)
外観の印象をはじめ、断熱性や遮音性にも影響する外壁の材質はどんなものが良いか
玄関をはじめ、窓やベランダ、各部屋の扉はどのようなものが良いか
玄関や廊下回りについてのチェックリスト
玄関全体の広さ、また土間や収納スペースの広さはどのくらい必要か
子どものおもちゃ等を置く他、コートや荷物をかけておくスペースは必要か
高齢者や子どもがいる場合、玄関の框(かまち)の高さはどのくらいが良いか
シューズボックスの臭い、カビの予防にも役立つ採光窓や換気扇は付けるか
シューズボックスの臭い、カビの予防にも役立つ採光窓や換気扇は付けるか
玄関や廊下の照明のスイッチは、帰宅後すぐ届く場所にあるか
日々の掃除を考えた時、廊下や玄関にいくつコンセントが必要になるか
リビングについてのチェックリスト
窓や玄関を開けたら、外にリビングやダイニングが丸見えになってしまわないか
キッチンとリビング、ダイニングは独立していた方が良いか、一体型が良いか
家族みんなが集まるリビングやダイニングは、どのくらいの広さと収納が必要か
リビングやダイニングでは、風通しや日当たりの良さと空調効率のどちらを優先するか
リビングやダイニングを吹き抜けにする場合、床暖房は取り付けるか
キッチンや他の部屋、トイレ等へ行くときの動線はどう取るのが良いか
照明のスイッチやテレビの配線、コンセントは、どこにどのくらい必要か
パソコンやプリンター、固定電話、FAX、ドアホン等はどこに設置するか
ピアノ等、床の補強工事が必要な重い家具やインテリアを置く予定があるか
トイレの位置はリビングやダイニング、各個室からどのくらい離したいか
キッチンについてのチェックリスト
キッチンとリビング、ダイニングとの位置関係や家事動線はどうしたいか
キッチンの形、大きさ、作業台の高さ、コンセントの位置や数はどのくらいが理想的か
常温で保存できる飲食物を保存するためのパントリーや、床下収納は欲しいか
キッチンにエアコンや、ストーブ等の空調機器用のコンセントは必要か
分別の種類ごとにゴミ箱を置こうと思うと、どのくらいのスペースが必要か
勝手口は必要か、また勝手口を設置するなら、どのあたりに欲しいか
水回りについてのチェックリスト
配線工事費を節約するため、可能な限り水回りを一か所に固めているか
子どもやペットの帰宅後すぐの手洗いや入浴、洗濯を考えた動線になっているか
家の玄関から、トイレや洗面所、脱衣所、お風呂が丸見えになってしまわないか
お風呂が、リビングを通らずに出入りできる場所にあるか
お風呂の大きさは、憧れだけでなく日々の掃除の労力も考えて決定したか
お風呂の内装をタイルにする場合、カビが生えやすい等のデメリットも考慮したか
換気や採光を考えて、お風呂や洗面所、トイレに窓を設置しているか
トイレやお風呂、脱衣所は、窓を開けても外から覗くことができない位置にあるか
洗面所と脱衣所、洗濯機を置くランドリールームは分けることを検討したか
洗面所と脱衣所、それぞれどこに、どのくらいのコンセントや収納が必要か
脱衣所や洗面所、ランドリールームにパイプラックやかごを置くスペースがあるか
寝室についてのチェックリスト
ベッド等の必要な家具を置いても、十分なスペースを確保できるか
採光し、湿気を換気するための窓は、どこにどのくらいの数、サイズで必要か
空調設備やテレビのコンセント、照明器具のスイッチはどこに設置するのが良いか
寝室の数、それぞれの広さが、現在の家族の人数や将来設計にマッチしているか
和室についてのチェックリスト
和室の場所は、LDKとつながる位置にしたいか、独立させたいか
和室と廊下、LDKとの間に段差は作るか、またどのくらいの高さを出したいか
障子やふすまの大きさ、紙の部分のデザインや材質はどのようなものが良いか
家具を置く予定はあるか、また、収納としての押し入れはどのような大きさが良いか
床の間は必要か
子ども部屋についてのチェックリスト
勉強机とベッドを置いても、十分な居室スペースと収納を確保できるか
空調や照明、パソコンやタブレット等を問題なく使える位置、数のコンセントがあるか
ドアの上部に小窓がついている等、子どもの気配を感じられる作りにできるか
子どもが独り立ちした後でも、有効活用できるような間取りや広さか
収納スペースについてのチェックリスト
広さや数、形、各階への配置は家族の生活動線や家事動線に沿っているか
出入口の形や大きさは、収納したいものを出し入れできるサイズか
カビを防ぐのに役立つ窓、または換気扇は付けられるか
クローゼットの場合、ハンガーパイプは何本、どのあたりに付けたいか
家族にとって適切な大きさや高さ、奥行の収納はどのくらいか
どこに何を収納したいかをイメージしてみて、数や大きさは十分か
外構部分についてのチェックリスト
駐輪場や駐車場はどのくらいの大きさで作るか、屋根は付けるか、車庫にするか
洗濯を干す、家庭菜園をする等、やりたいことの実現にどのくらいの庭が必要か
洗濯ものを干すためのベランダやバルコニーは設置するのか
庭木への水やりや洗車をするための水栓は必要か
庭から玄関、接続する道路までスムーズに行き来できる動線になっているか
夜間に庭、駐車場等から玄関まで行く時のための照明や外灯はどこに付けるか
防犯や目隠しのための塀や生け垣は作るか、また芝生や砂利、コンクリートは敷くか
家の外に屋外用のコンセント(防露型コンセント)は必要か
門扉は必要か、またドアホンは玄関と門扉のどちらに付けるか
塀や門扉、門柱、玄関回りの外装デザインはどのようなものが良いか
すべてを踏まえた上で、駐車場や駐輪場、庭をどのように配置するか
特に、各所の電気やネット配線の分岐・出口は、家が完成してからでは改修しづらく、素人には詳しいことがわかりにくい部分なので、注意が必要です。
また、ここまでに挙げたチェック項目はごく一部であり、注文住宅を建てる際に外観や間取りについて決めるべきことは、他にもたくさんあります。
家族全員の生活動線や家事動線をしっかりとイメージし、わからないことがあればハウスメーカーや工務店の担当者にも確認しながら、決めるべき項目を絞り込んでいくと良いでしょう。
関連記事:「新築の家づくりで後悔したことをランキング形式で解説!住宅のプロが教えるTOP5とは?」
施工会社選びに関する家づくりチェックシート
家族にとって理想的な土地、家のイメージが固まってきたところで、次は、注文住宅の設計・施工を依頼するハウスメーカーや工務店を選んでいきます。
以下に、ハウスメーカーや工務店を選ぶ際に参考にしてほしいチェックポイントをまとめましたので、お役立てください。
ハウスメーカーや工務店選びについてのチェックリスト
営業担当の話だけでなく、過去の実績からも強みや特徴が明確に伝わってくるか
自分たち家族が希望している工法や材質を使って、予算内で家を建てられるか
外観や内観のデザインが、自分や家族にとって好みで、見ていて楽しい気持ちになるか
複数社から相見積もりを取った中で、自分たちと相性が良く条件も合うと感じられるか
営業担当の人柄や仕事ぶりを見て、安心して家づくりを任せられると思えたか
モデルハウスを見て回ったり、資料請求をする等して複数のハウスメーカーや工務店の情報を集め、比較するのは、想像しているよりも大変な作業でしょう。
しかし、注文住宅の施工会社を選ぶことは、ご自身の家づくりのパートナーを選ぶことです。
複数の施工会社から話を聞き、家に対する知識を深めて初めて見えてくることもありますから、面倒でも、できるだけたくさんの会社から情報を集めることをおすすめします。
なお、情報収集の際には、複数のハウスメーカーや工務店のモデルハウスが建ち並ぶ住宅展示場にも、ぜひ足を運んでみてくださいね。
関連記事:「自分に合うハウスメーカーの選び方5つ!後悔しないためのポイントも解説」
個性豊かなモデルハウスで理想の家づくりをサポート
私たち株式会社アルスは、宮城県にて東北最大級の総合住宅展示場「利府ハウジングギャラリー」と県北唯一の総合住宅展示場「大崎エルハウジング」を運営しています。
敷地内には、各ハウスメーカー様が自信を持ってお届けする個性豊かなモデルハウスと、お客様の展示場見学や家づくりを幅広くサポートするセンターハウスを完備。
宮城県で注文住宅の購入をお考えの方、また将来的にマイホームを建てたいけど、何から始めたらいいのかわからないという方も、まずはお気軽に私たちの展示場へお越しください。
家族にとって理想的な家づくりを実現するために、大きな一歩を踏み出すお客様を全力でサポートします。