注文住宅を建てるときに必ず目にするハウスメーカーと工務店。なんとなくハウスメーカーは高く、工務店は安いというイメージがあるという方もいるかもしれません。
このイメージは概ね間違っておらず、実際にハウスメーカーと工務店で建築費用に差があります。
そこでこの記事では、ハウスメーカーと工務店の価格差はどれくらいなのか、なぜ同じ住宅でも価格差が生まれるのかについて詳しく解説していきます。
ハウスメーカーと工務店の価格差はどれくらい?
ハウスメーカーと工務店では、同じ延床面積・間取りの家を建てた場合、どれくらいの価格差があるのでしょうか。ここでは一例を紹介します。
坪単価 | 建築価格(40坪) | |
---|---|---|
ハウスメーカー | 80〜100万円程度 | 3200〜4000万円程度 |
工務店 | 50〜70万円程度 | 2000〜2800万円程度 |
このように、ハウスメーカーと工務店には500万円〜1000万円以上の価格差があります。また、ハウスメーカーの中でも大手の会社になると、さらに坪単価が高くなり100万円以上になるケースも。
そもそもハウスメーカーと工務店の違いとは
実はハウスメーカーも工務店も、法的に明確な定義はありません。そのため「ハウスメーカーだからこう、工務店だからこう」など、一概に言えるわけではないのです。
ここではそのことを踏まえたうえで、ハウスメーカーと工務店の違いについて、よく言われている内容を紹介します。
ハウスメーカーの特徴
ハウスメーカーは、自社ブランドを持つ大規模な住宅会社です。とくにテレビCMで見かけるような大手メーカーは全国規模で展開していることが多く、各地域に営業拠点を構えています。
また、自社工場を持っており、資材の調達から施工までを一貫して管理するメーカーがほとんど。仕様や規格が統一されているため、施工技術による仕上がりに差がでにくく、工期も短いといった特徴があります。
知名度の高いハウスメーカーの場合は口コミも多くなり、各メーカーの情報を集めやすいというメリットがあるでしょう。
工務店の特徴
工務店は中小規模の会社が多く、特定の地域に密着して事業を行う住宅会社です。営業拠点を複数持つ会社もありますが、施工エリアが制限されている場合がほとんど。
自社工場は持っておらず、資材の質や仕様、規格などが統一されていないため、予算や要望に合わせて柔軟に対応してもらいやすいという特徴があります。
また、大手ハウスメーカーのように全国的にテレビCMや大体的な宣伝を行なっていないこともあり、どのような会社があるのか知るところから情報収集をする必要があるでしょう。
ハウスメーカーと工務店に価格差が生まれる理由
ハウスメーカーと工務店の特徴からも分かるように、会社の規模や対応エリアなど、いくつかの大きな違いがあります。
それが理由で両者に価格差が生まれるのですが、具体的にはどのような差があるのでしょうか。詳しく解説していきます。
開発・実験にかかる価格差
ハウスメーカーの建築価格が高いと言われる理由の一つに、資材の開発や研究に費用がかかることがあげられます。
ハウスメーカーは高品質な住宅を提供していることが多く、耐久性や安全性に優れた資材を一定して確保しなければいけません。しかし、市場に出回っている資材だけではこれらの要件を満たすことができないことがあるため、自社独自の資材を開発しているハウスメーカーが多いのです。
そして、資材の開発には何度も研究とテストを重ねる必要があります。たとえば耐久性や断熱性、防音性など、さまざまな要件を満たすためには、素材の組み合わせや加工方法の改良、新しい技術の導入なども行われるでしょう。
さらにそれだけでなく、建築業界は常に進化しており、新たな環境や安全基準に合わせた資材の開発も求められています。
このように、高度な技術や専門知識を必要とする研究・開発には多くの費用がかかるため、最終的に住宅価格に反映されるのです。
なお、工務店では外部の会社から資材を仕入れているため、自社で研究・開発していません。
品質やグレードの違いによる価格差
ハウスメーカーと工務店では資材や仕様、設備などの品質に違いもあります。
前章「開発・実験による価格差」でも触れましたが、ハウスメーカーでは自社で資材を開発・製造しています。そのため、一定基準以上の規格化された資材で家を建てることができ、品質にばらつきがありません。
さらにお風呂やキッチンなどの設備においてもグレードの高いものを採用したり、機能的で高品質な素材を採用していることも多いことが、ハウスメーカーの価格に影響しているといえます。
また、ハウスメーカーは資材の調達から施工まで一貫して管理していますが、施工に関しては施工会社や工務店に委託しています。そのためどうしても仲介料などが加算され、工務店よりも価格が高くなるのです。
一方、工務店はお客様の要望に応じて、仕様や設備、グレードなどを選びます。ハウスメーカーよりも柔軟な対応が可能ですが、建築費用を抑えようとして資材や設備のランクを下げている場合も。施工自体も自社で行うケースが多く、余分な仲介料や人件費などが発生しません。
このように、住宅に使用する建築資材やキッチンなどの設備グレードなどの違いが、ハウスメーカーと工務店に価格差を生む理由になるのです。
広告費による価格差
ハウスメーカーと工務店の価格差には、宣伝にかける費用の違いも理由の一つです。
ハウスメーカーは全国展開しており、住宅ブランドとしても確立しています。ブランド力を高めるためには品質の高さはもちろんですが、知名度も非常に重要なポイント。そこで各社、宣伝に力を入れているのです。
とくに大手ハウスメーカーは、テレビCMやラジオCM、電車の吊り広告、新聞広告、インターネット広告など、幅広いメディアを活用して広告宣伝を行なっています。
また、モデルハウスの運営も全国的に行なっているので、それにかかる建築費用や運営費用なども重なることで、地域密着型の工務店に比べて高くなるのです。
一方、工務店は特定の地域が営業範囲なことが多く、ハウスメーカーよりも狭いエリアでの宣伝活動を行います。販促に利用するメディアは同じでもエリアが絞られているので、全国区に宣伝するハウスメーカーに比べるとそこまで広告費用がかかりません。
このような理由から、ハウスメーカーと工務店の価格差ができるのです。
会社の規模による人件費などの価格差
ハウスメーカーと工務店では会社の規模が違うため、人件費にも大きな差が生じます。
全国に複数の営業拠点を持つハウスメーカーは、各営業所ごとに建築設計士や施工管理者、営業担当者など、建築に関わる様々なポジションの人材を抱えています。
一方、工務店は小規模〜中規模の会社が多く、限られたスタッフで業務を行うため、一つの建築に関わる人数も少ないのが特徴です。特に地域密着型の小規模な工務店では、オーナー自らがプロジェクトを進めるケースも。
このように、会社が抱える従業員の数・人件費の差が建築費用に上乗せされることで、ハウスメーカーと工務店の間に価格差が出るのです。
価格差だけでハウスメーカーか工務店かを決めない
ここまで、ハウスメーカーと工務店の価格差について詳しく解説しました。
- ハウスメーカーは、全国規模・ブランド力・一定した品質などが理由で建築費用が高くなりやすい。
- 工務店は、地域密着型・資材や設備のランクなどの理由で建築費用が安い傾向にある。
このような理由でハウスメーカーと工務店に価格差が生まれるのですが、住宅会社を選ぶときは、価格差よりも「どれだけ自分の希望を叶えられるか」が大切です。
価格差だけで会社を選んでしまうと、「予算よりも安く建てられたけど、思っていたデザインやイメージと違った」「理想の家になったけど、予算をオーバーしてしまい毎月のローン返済が大変…」なんてことになるかもしれません。
そうならないためにも、ハウスメーカーや工務店の口コミを調べたり、住宅展示場に足を運んで複数のモデルハウスを比較したりして、自分に合った住宅会社を見つけましょう!
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