家づくりは一生に一度であることがほとんど。「せっかくなら理想の住まいを形にしたい」と考える方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
だからと言って理想を追い求めるあまり、家づくりの注意点を忘れてしまうと思わぬトラブルや後悔に繋がることも。理想の家づくりを叶えるためには、まず全体の手順を正しく理解し、押さえるべきポイントを把握しておくことが大切です。
この記事では、理想の家づくりを実現するための手順や理想を叶えるためのポイントをわかりやすく解説します。
さらに、満足度の高い住まいづくりに欠かせない注意点もあわせてご紹介しますので、理想のマイホームを実現したい方は、ぜひ参考としてご活用ください。
理想の家づくりを実現するための手順

理想の家づくりを成功させるためには、計画的に手順を踏むことが重要です。
もちろん「このデザインが好き」「こんな雰囲気の家にしたい」といった感覚的な発想も悪くはありませんが、順を追って進めることでイメージがより具体化され、二度手間や予算オーバーを防ぐことができます。結果として、より満足度の高い家づくりに繋がるのです。
ここからは、理想の家を形にするために押さえておきたい手順を、以下のように8つに分けてわかりやすくお伝えします。
【理想の家づくりを実現するための手順】
- 理想の暮らしについて家族で話し合う
- 理想の住まいのイメージを膨らませる
- 家を建てる場所や広さを考える
- 家の間取りを考える
- 家の内観・外観デザインを考える
- 実現したい理想の優先順位を決める
- 家づくりの全体予算を決め、予算に合うかどうか検討する
- 理想の家づくりを実現してくれる施工会社を探す
手順1:理想の暮らしについて家族で話し合う
まずは、ご家族全員で「どんな暮らしをしたいか」を話し合うことから始めましょう。
理想の家づくりで何より重要なのは、ご家族一人ひとりが心地よく暮らせる空間であること。ご家族全員の意見を完全に一致させるのは難しいものの、この段階を疎かにすると完成後に「思っていた家と違う」と感じる原因になりかねません。
例えば「家事がしやすい動線にしたい」「子育てしやすい家にしたい」など、日々の生活の中で大切にしたいことを出し合ってみましょう。取捨選択は後からでも可能なので、最初は理想を自由に語り合うことが重要です。
ご家族で目指す暮らしの方向性を共有できれば、家づくりの具体的な計画を立てる際にも迷いが少なくなります。
手順2:理想の住まいのイメージを膨らませる
続いて、「どんな家に住みたいか」というイメージを具体的に描いていきましょう。
理想像が曖昧なままだと間取りやデザインがなかなか決まらなかったり、家を建てた後に「もっとこうすれば良かった」と後悔したりすることも少なくありません。
イメージを明確にするためには、ハウスメーカーや工務店の公式サイト・カタログ・SNSで情報を集めたり、住宅展示場やモデルハウスに足を運んで実物を確認したりするのがおすすめです。
特に総合住宅展示場では、さまざまな施工会社が自社の強みを活かしたモデルハウスを展示しています。写真だけでは伝わらない広さの感覚や素材の質感、生活動線などを体感することで、理想のイメージがより具体化するでしょう。
なお、この段階でデザインや機能面を比較しながら気になる施工会社をリストアップしておくと、後の依頼先選びもスムーズになるため、一石二鳥です。
手順3:家を建てる場所や広さを考える
理想の暮らしのイメージが具体化できたら、次は家を建てる場所や広さを検討しましょう。
土地の条件によって、建てられる家の形や間取りは大きく変わります。先に場所を限定しすぎると理想の間取りやデザインが実現しづらくなることもあるため、まずは希望するエリアや条件を大まかに整理しておくのがおすすめです。
例えば「駅近で通勤・通学に便利な場所」「広い駐車場を確保できる土地」といった条件を整理しておくと、理想の家の方向性がより具体的になります。
ただし、立地条件や土地の広さは予算に直結します。この段階で理想を固めてしまうのではなく、柔軟に検討できる余地を残しておくことが後悔のない家づくりに繋がります。
関連記事:「家を建てるために土地の広さはどのくらい必要?平均と目安をご紹介」
手順4:家の間取りを考える
理想の家の広さがある程度決まったら、生活動線を意識した間取りを考えていきましょう。
間取りはご家族の生活リズムや家事のしやすさ、将来のライフステージの変化にも大きく関わる重要な要素。「何となく」で部屋を配置してしまうと後悔に繋がりかねません。
まずは今の住まいで感じている不便さや不満点を洗い出し、それを解消できる間取りを検討しましょう。
また、家は何十年も暮らす場所です。現在の暮らしだけではなく、将来の家族構成や生活スタイルの変化も見据えながら、長く快適に暮らせる間取りを考えることが大切です。
手順5:家の内観・外観デザインを考える
間取りが決まる頃には、新しい家でどんな暮らしを送りたいのかが具体的になっているはず。次は、家の印象を大きく左右する内観と外観のデザインを考えていきます。
日々の暮らしの快適さや満足度に直結するのがデザインです。長く付き合うものだからこそ流行に流されず、飽きのこないデザインを選ぶことが欠かせません。
シンプルモダン・ナチュラル・和モダンなど、全体のテイストを統一することでデザインに一体感が生まれます。また外観の色味や屋根の形を周囲の街並みに合わせると、より美しい印象に。
ただし見た目のデザインばかりを追い求めると、日々の掃除のしやすさやメンテナンス性を欠いてしまうことも少なくありません。デザイン性と実用性のバランスを意識し、長く快適に暮らせる家づくりを心がけましょう。
関連記事:「ハウスメーカーの自由設計とは?注文住宅との違いやメリット・デメリットを解説」
手順6:実現したい理想の優先順位を決める
これまでに整理してきた理想の家の条件に対して、優先順位を決めていきましょう。
何故なら予算や敷地条件には限界があるため、全ての理想を叶えるのは難しいからです。だからこそこの段階で優先順位を決め、理想を現実に落とし込むことが後悔のない家づくりに繋がります。
ご家族それぞれが大切にしたいポイントを出し合い、「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」、そして「予算次第では諦める条件」を整理してみましょう。全員の意見を踏まえて優先順位を決めれば、理想と現実のバランスが取れた納得度の高い住まいを実現できます。
手順7:家づくりの全体予算を決め、予算に合うかどうか検討する
家づくりの条件に優先順位を付けたら、次は全体の予算を明確にしていきましょう。
住宅ローンでどのくらい借り入れるか、自己資金はいくら出せるかを踏まえて無理のない資金計画を立てることが大切です。どんなに理想の家を建てても、毎月の返済で生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。
また、予算を考える際は建築費だけではなく、土地代・外構などの付帯工事費・各種税金や手数料・引っ越し費用などのさまざまな金額も含めて「総額」で見積もるようにしましょう。家づくりにかかる全ての費用を把握したうえで、優先順位を付けた理想の条件と照らし合わせて調整していくことが重要です。
家づくりの予算は今だけではなく、これからの暮らしを支える長期的な計画でもあります。ご家族が安心して暮らせるように、少し余裕を持たせた資金計画を心がけましょう。
手順8:理想の家づくりを実現してくれる施工会社を探す
理想の家の条件や予算が固まったら、いよいよ家づくりを形にしてくれる施工会社を選びましょう。
同じ希望や予算を伝えても、ハウスメーカーや工務店によって特徴や提案内容、得意分野は異なります。そのため、複数の会社に相談し、対応の丁寧さ・提案力・施工実績・アフターサービスの充実度を比較することが大切です。
会社の公式サイトや資料等で比較するのも良いですが、一度に複数の施工会社を確認できる総合住宅展示場でモデルハウスを見学するのがおすすめです。営業担当者の対応力に加えて、会社の得意分野や施工事例を比較しながら確認できるため、理想を実現できる技術を持つ会社を選びやすくなります。
理想の家は、信頼できる施工会社との二人三脚で初めて形になるもの。ここまでの手順をしっかり踏まえたうえで、最後に最適なパートナーを選ぶことが長く愛せる理想の住まいの実現に繋がります。
関連記事:「ハウスメーカーの標準仕様とは?注文住宅をオプション仕様に変更する際の注意点も」
理想の家づくりを実現するためのポイント

理想の家づくりを形にするためには、家づくりを進めるにあたっての「考え方」や「判断基準」も非常に重要です。
ここからは、理想の家を実現するために押さえておきたい5つのポイントについて詳しくご紹介します。
【理想の家を実現するためのポイント】
- 予算に合わせて優先順位を決めておく
- 生活動線や家事動線を考慮する
- 断熱性や耐震性などの機能性も考慮する
- 収納スペースを確保する
- 相性の良いハウスメーカーや工務店を見つける
ポイント1:予算に合わせて優先順位を決めておく
理想を全て詰め込むのではなく、予算に合わせて優先順位を明確にしておくことが大切です。
家づくりでは、限られた予算の中で理想を実現する必要があります。優先順位を決めずに進めると途中で資金が不足したり、迷いが生じて計画に遅れが出たりと思わぬトラブルに発展することも。
そのため、優先順位と共に「譲れない点」「妥協できる点」「予算次第では諦める点」をあらかじめ整理しておくと、予算内でも理想に近づけることができます。
ポイント2:生活動線や家事動線を考慮する
家の設計では、デザインよりも動きやすさを重視することがポイントです。
というのも、生活動線や家事動線が悪いと毎日の家事や移動にストレスを感じやすくなります。どんなにおしゃれな住宅でも、住み心地が悪ければ快適とは言えません。
例を挙げると、キッチン・洗面所・浴室を近くに配置すれば、洗濯や料理の効率が良くなります。また、玄関からリビング・キッチンへの動線を短くすると、帰宅後の動きもスムーズです。
見た目が洗練された家も決して悪くはありませんが、ご自身やご家族が長く暮らしやすい家の実現を第一に、生活動線や家事動線を意識した間取りにするようにしましょう。
ポイント3:断熱性や耐震性などの機能性も考慮する
理想の家を作るなら、断熱性や耐震性といった機能性を重視することも欠かせません。
どれほど素敵な住まいでも、夏は暑く冬は寒い家や地震のたびに不安を感じるような構造では、長く快適に暮らすことはできません。機能性を高めることで、快適さ・安全性・光熱費の削減といった面でも暮らしの質を大きく向上させることができます。
特に昨今は夏場の気温上昇が顕著で、冷暖房の効率が光熱費に直結しがち。高断熱・高気密仕様の他にも、採光や通風も意識すると健康的な暮らしを実現しやすくなります。
さらに日本は地震や台風などの自然災害が多いため、万が一の際にご家族を守れるかどうかは重要なポイントです。
これらの性能は見た目にはわかりにくい部分ですが、実際の住み心地や耐久性、長期的なコストに大きな差を生みます。見た目だけにとらわれず、快適さと安心を支える機能面にも目を向けた家づくりを心がけましょう。
関連記事:「木造住宅の耐用年数とは?寿命や実際に住める年数とどう違うかを解説」
ポイント4:収納スペースを確保する
快適で美しい住空間を保つためにも、充分な収納スペースを確保するようにしましょう。
収納が足りないと生活スペースが散らかりやすく、せっかくのデザインやインテリアの魅力が半減してしまいます。必要な場所に必要な収納を設けることで、ストレスの少ない住環境を実現できます。
収納計画を立てる際は、生活動線に沿った配置を意識すると使い勝手が格段に向上します。後から収納家具を足すのではなく、最初から収納スペースを組み込む意識が理想の家づくりを成功させるポイントです。
ポイント5:相性の良いハウスメーカーや工務店を見つける
理想の家づくりを成功させるポイントとして意外と見落とされがちなのが、「自分たちと相性の良いハウスメーカーや工務店を選ぶこと」です。
施工会社によって得意とする工法や構造、標準仕様、提案のスタイルなどが大きく異なります。どんなに技術力や評判が高い会社でも、ご自身やご家族の価値観や考え方に合わなければ打ち合わせに時間を要してしまい、理想の住まいが実現できないことも少なくありません。
そのため、複数の会社に相談しながら比較検討することが大切です。打ち合わせの中で話を丁寧に聞いてくれるか、希望に対して的確な提案をしてくれるかといった点に注目すると、信頼できるパートナーを見極めやすくなります。
また、評判や口コミが良い施工会社や営業担当者が、必ずしもご自身やご家族にとって相性が良いとは限りません。実際に対話を重ねる中で、「この人たちなら信頼できそう」と感じられる会社を選ぶようにしましょう。
理想の家を実現するための注意点
理想の家づくりを成功させるためには、「理想を追い求めること」以上に「現実を見据えること」が大切です。感覚や憧れだけで判断してしまうと、住み始めてから後悔することも少なくありません。
理想を無理なく形にするために、家づくりの初期段階で意識しておきたいポイントを以下にまとめましたのでご覧ください。
【理想の家を実現するための注意点】
- 現実的な予算を設定する(予備費も考慮しておく)
- 家族のライフスタイルを考慮した間取りと動線を考える
- 設備などを考える際は、本当に使用するのかをよく考える
- 内外装や間取りなど、流行にとらわれすぎない
この中でも特に注意したいのが、内外装や間取りなどを「流行」で決めてしまうことです。
意外かもしれませんが、家の内外装のデザインや素材、間取りにも流行があります。SNSや住宅展示場ではおしゃれなデザインの家が数多く紹介されていることから、強い憧れを抱く方もいらっしゃることでしょう。
しかし流行に影響されすぎてしまうと、年月が経ったときに「当時は良かったけど、今見ると古く感じる」「見た目は素敵だけど暮らしづらい」と感じることも少なくありません。
家は一時的な流行に乗るためのものではなく、30年以上住み続ける大切な場所です。そのため、デザインはシンプルで飽きのこないものを基本として、流行の要素はアクセントや一部のインテリア要素に限定するのが理想的です。
将来を見越しての家づくりが理想の家に繋がる
家づくりはほとんどの方にとって人生で一度きり。そのため、初めての家づくりではわからないことも多く、理想を全てご自身やご家族だけで形にするのは意外とハードルが高いものです。
だからこそ、悩んだときは家づくりのプロであるハウスメーカーや工務店に気軽に相談することをおすすめします。
施工会社はさまざまな施工事例や最新の建築技術をもとに、プロならではの視点で最適なプランを提案してくれます。理想の家をより現実的に、かつ快適に実現することができるでしょう。
また、家はこれからの暮らしを支える場所でもあります。子どもの成長や家族構成の変化、ライフスタイルの移り変わりを見越した設計を意識することで、何十年経っても暮らしやすい家になります。
理想の家づくりは、ひとりで抱え込むものではありません。家づくりの知見に富んだ信頼できるプロと共に、未来を見据えた理想の住まいを実現していきましょう。
個性豊かなモデルハウスで理想の家づくりをサポート

私たち株式会社アルスは、宮城県にて東北最大級の総合住宅展示場「利府ハウジングギャラリー」を運営しています。
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宮城県で注文住宅の購入をお考えの方、また将来的にマイホームを建てたいけど、何から始めたらいいのかわからないという方も、まずはお気軽に私たちの展示場へお越しください。
家族にとって理想的な家づくりを実現するために、大きな一歩を踏み出すお客様を全力でサポートします。


